オーナー経営者のためのM&A活用法 ~次世代への発展的な事業承継の要諦~
少子高齢化、競争の激化などを背景に、後継者不在に悩む企業は多く、結果として、清算・廃業に追い込まれるケースも少なくない。
一方で、近年はM&Aを活用し、発展的な事業承継を模索する企業も増えている。
7月5日、東京・半蔵門で開かれたフォーラム「オーナー経営者のためのM&A活用法」では、M&Aの専門家や実際の経験者、法律家などによる講演とパネルディスカッションが行われ、聴衆は最後まで熱心に耳を傾けていた。
一方で、近年はM&Aを活用し、発展的な事業承継を模索する企業も増えている。
7月5日、東京・半蔵門で開かれたフォーラム「オーナー経営者のためのM&A活用法」では、M&Aの専門家や実際の経験者、法律家などによる講演とパネルディスカッションが行われ、聴衆は最後まで熱心に耳を傾けていた。
【主催】東洋経済新報社
【協賛】M&Aキャピタルパートナーズ
【協賛】M&Aキャピタルパートナーズ
【基調講演】
カルビー グローバル企業への飛躍
スナック菓子のリーディングカンパニーであるカルビーの松本晃氏は、同社の成長戦略と変革、海外戦略を中心に講演した。
まず国内市場の停滞を示したうえで、同社の成長戦略の筆頭に海外展開を挙げた。同社は2009年には世界トップシェアを誇るペプシコと資本・業務提携を結んでいる。こうした流れを踏まえて、世界で成功する秘訣を、コスト、スピード、ローカリゼーション、パートナーの四つとした。また、現地化と分権化の必要性を強調したうえで、日本での成功体験をそのまま海外に持っていこうとしてもうまくいかないと警告した。同社の海外戦略モデルを、カルビー単独での進出、ペプシコとの提携拡大、現地企業との提携の三つとし、難易度や利益率の点から、現時点では現地企業との提携が最も現実的と述べた。
続いて企業変革のポイントについて、カルビーが実践したコスト削減モデルを紹介し、現在の消費者主権の市場においては、コスト+利益で売値を設定するのではなく、消費者が買ってくれる売値から利益を差し引いたものがコスト、というコスト設定の考え方が重要と説いた。また、現在の日本企業における営業のあり方について、出来高払いが望ましいなど、具体的提言を行った。
最後に同氏は「約束と結果責任」「現状維持是即脱落」などをキーワードに信条を披露し、講演を締めくくった。