都議選は自民が歴史的大敗、国政に影響必至 自民党は現有57議席から23議席と半数以下に
今回の都議選は、昨年8月に就任した小池都知事の評価を問う選挙で、築地市場の豊洲への移転問題などが争点とされた。
小池知事は、自らが提案した築地市場の豊洲移転・築地再開発プランについて今回の選挙で「信任を得たものと考えている」と述べた。
自民党は、学校法人加計学園の獣医学部新設承認をめぐり、安倍晋三首相と萩生田光一官房副長官の関与があったかどうか、国会で野党から追及を受け、稲田朋美防衛相の都議選応援演説での失言、投票日直前に報道された都連の下村博文会長の闇献金疑惑などが影響した。
選挙戦の序盤では、自民党と都民ファーストの会が第1党を争うとの調査結果が多かっただけに、自民党内からも安倍首相の責任を問う声が出てきそうだ。
歴史的な大敗
NHKによると、石破茂・元地方創生担当相は「この結果を歴史的な大敗と言わずに何と言うのか」「自民党のあり方そのものが、あらためて問われている選挙だ」「自民党本部を挙げて戦った選挙であり、東京都連の幹部が辞めれば、おしまいということにはならない」と語った。
東京大学大学院の内山融教授は、都民ファーストの会の躍進について、ほぼ予想通りだが、自民党がここまで負けるのは予想以上だと指摘。「自民党は加計学園問題、稲田防衛相の発言などアクシデントが多かった。無党派層が多かったので、その投票行動が大きく影響した」と述べた。
都議選の結果は過去の例から国政に影響することが多く、次の衆院選を占う側面がある。衆院議員の任期満了は2018年12月で、今回の都議選の結果は、衆院解散・総選挙の時期にも大きく影響しそうだ。
内山教授は、国政への影響について「直ちに安倍晋三首相に対する退陣要求とまではならないだろうが、ここまで負けると、石破茂氏など安倍首相と距離を置く自民党内の勢力の動きが注目される」との見方を示した。
投票率は51.27%で、前回の43.50%を7.77ポイント上回った。内山教授は、小池氏の劇場型のスタイルが有権者の関心を喚起すると同時に、自民党のスキャンダルが都議選とリンクされて報道されたため、有権者の都政に対する関心を高めたとの見方をしている。
(宮崎亜巳 編集:田巻一彦)
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