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エイベックスがベンチャーを支援する理由 ヒットの創出と業界の活性化に向けて

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最近注目されているブロックチェーンの領域からは、Orb代表取締役の仲津正朗氏が登壇。ネット上の著作権保護を目的とし、ブロックチェーン技術を基にした非中央集権型のDRM(デジタル著作権管理)の仕組みを紹介した。アーティストとレーベル、ユーザーが権利を共有することで、「コンテント・プロダクション・コミュニティ・プラットフォーム」と言うべき新たな流通の場が生まれる可能性があるという。

自社のビジネスの可能性について熱心にプレゼンをする登壇者たち。審査員も真剣なまなざしだ

最後に登場したのは、BONX代表取締役CEOの宮坂貴大氏。スノーボードでの体験を基に考え出された、アクティビティ中にボタンを押すことなく話すだけで仲間と会話ができるBluetoothイヤホンを紹介した。エイベックスと提携すれば音楽も共有できると、その可能性を展望した。

「広がり」こそ、エンタメの将来を決める

7人による約2時間弱のピッチイベント終了後、審査員による審査が行われた。「塩野誠賞」を受賞したのはBONXの宮坂氏。塩野氏は「モノづくりで革新的なものは日本からはあまり出てきません。ブランド化できる力を感じました」と選考理由を述べた。受賞した宮坂氏は、「ヒアラブルテクノロジーを使った事業を、ベンチャー単体で拡大することは難しい。だからこそ、どこかと一緒にやりたいと考えていました。歴史の長い音楽業界の中で、エイベックスの動きは特に早く、規模も大きい。そんな会社とつながりが欲しいと思っていた矢先に、受賞できました。これからエイベックスと新しいサービスや体験をつくりたい」と期待を述べた。

「小室哲哉賞」を受賞したのは、InstaVRの芳賀氏。小室氏は「理想か現実かで悩みましたが、実際のイベントに使いたいものを選びました。音楽は今、何かと組まないと浮上できない状況にあります。危機的ではありますが、やっと本格的に外に出て行こうという環境になったとも言えます。こうした“広がり”こそ、エンタテインメントの可能性だと思います」と評価した。受賞した芳賀氏は「エイベックスとのシナジー効果を期待できるため、このイベントには、ぜひ出させていただきたいと思っていました。エイベックスのコンテンツとわれわれのツールを組み合わせることで、VRを広めることができればと思っています」と語った。

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