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あなたの会社には、地方出身の社員はいないだろうか。子育てや親の介護のために、ふるさとへ帰りたいという社員はいないだろうか。あるいは、ライフスタイルを変えるために地方で暮らしてみたいという社員はいないだろうか。いざ、社員が地方で暮らしたいといったとき、あなたの会社はどうするか。労働力不足が深刻になりつつある中、優秀な社員を、しかも働く意欲のある社員を「地理的、時間的理由」で失うのはあまりにももったいない。サテライトオフィス、テレワークでその課題は解決できるかもしれない。

茨城県の北部にサテライトオフィスという可能性

建物は、木造2階建て、延べ床面積248.41平方メートル(1階:136.45平方メートル、2階111.96平方メートル)。什器と床は「八溝杉」で作られ、暖かみがありスタイリッシュ。これは地元の材木店から端材を提供してもらって実現した

JR水郡線の常陸大子(ひたちだいご)駅のすぐ目と鼻の先。2016年6月、「しゃも弁当」で知られる玉屋旅館の真向かいに「サテライトシェアオフィスdaigo front(大子フロント)」がオープンした。もとは写真館だったという建物を改修したこのサテライトシェアオフィスは、1階は共有スペースで、入居者は2階をシェアすることになる。といっても、2階は区切りのない広い空間だ。もちろんパーティションなどで自分だけの空間をつくることも可能だが、入居者同士の交流もしやすいようにあえて区切りのない空間にしたのだという。

茨城県は県北地域振興のため、県北6市町と連携して商店街の空き店舗などをシェアオフィスに改造し、クリエイターやコンテンツ関連企業などに提供する「クリエイティブ企業等進出支援事業」を行っている。「サテライトシェアオフィス daigo front」もこの事業から生まれた施設で、このほか日立市などにも同様のシェアオフィスが設けられている。

大子町
まちづくり課
皆川 敦史

「Wi-Fi環境を用意し、場所や時間を問わない人の働き場所として整備しています。事務所を開設するのに必要な費用の半分、最大100万円までは県が補助しますし、家賃は2階に専用デスクを置いても月額2万円と格安です。1階にはこの施設の運営を担うNPO法人『まちの研究室』の事務局が置かれ、スタッフも常駐しますから、安心して使っていただけます」(大子町まちづくり課課長補佐・皆川敦史氏)

すでに利用している1社は、大子町周辺で広告宣伝ツールの制作などの仕事を受注し始めているが、17年4月からはここで新たなビジネスも立ち上げる計画だという。また別の会社は、福島県南部にもクライアントがいるため、顧客により近い距離のこのオフィスを営業拠点として活用する意向だ。

※サテライトオフィス 組織がその本拠地から離れたところに設置するオフィス

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