あなたのECサイトにブランド価値はあるか。
「ブランディング」の手法で
EC市場の健全な発展に貢献
ネットコンシェルジェは2012年、オリジナルのECサイトシステム「MTコマース」をリリースした。もっとも注力したのは、分析し仮説を立てて検証、そして改善が柔軟に行えること。なおかつ低価格でできること。ここにも尼口氏独自の思いがある。
「いい企画でも、システムの実装に大きな金額と長い期間がかかるのでは、見送られてしまいます。これでは日本のECが成長しないと考え、検証や改善が柔軟に行えるシステムを自社開発しました」
9月には、国内外の成功しているECサイトの事例を紹介する書籍も出版される予定だ。同書は、尼口氏がこれまで数百ものサイトを見てきた経験を基に、オンラインビジネスで成功するための「法則」をまとめたものだという。サイトの担当者のみならず、経営者にも参考になるように執筆したというから楽しみだ。
創業以来10年間、さまざまな企業のブランディングに貢献してきた尼口氏は、次の10年に向けどのような挑戦をしようとしているのか。
「市場の健全な発展に貢献したいと考えています。というのも、ECの可能性が注目される一方で、現状は『安さ、便利さ』の競争になっているからです。このままでは、EC市場そのものが疲弊してしまいます。『ブランディング』という手法を使って、よいモノを適正な価格で売れる環境を実現したいのです。ECサイトはもちろんのこと、消費者の意識改革も必要でしょう。当社がそのムーブメントを起こすとともに、それを盛り上げるさまざまなサービスや場を提供していきたいと考えています」と、尼口氏は決意を込めて結んだ。
サイトの機動的な検証・改善を可能にする
ECサイト構築ソフト 「MTコマース」
MTコマースは世界標準ともいえるブログ、CMS、ツール「Movable Type」をベースに、GMOTECH監修によるSEO内部対策を施したECサイト構築ソフト。特徴は、検証→仮説→実証によるサイト改善のサイクルを、容易かつ安価に行える点。なかでも優れているのは、現状の画面と仮説の画面を並行して稼働させ、どちらのパフォーマンスが高いかを評価できる機能だ。文中で紹介した「アダチ版画」もMTコマースユーザーだ。購入費用は29万4000円(税込)など(Movable Typeライセンス取得済みの場合。導入後のサポート費用も含む)。