あなたのECサイトにブランド価値はあるか。
顧客をファンにし指名買いをもたらす
「ブランディング」とは
成功するECサイトにはどのような条件が求められるのか。
その問いに尼口氏は「一口で言えば、ナンバーワンかオンリーワンのサイトになることです」と答える。
ナンバーワンとは、ネット上で一番安かったり品ぞろえが多かったりすることだという。オンリーワンとは、他のECサイトで扱っていない商品を自社独占で販売することなどだ。
「ただし」と尼口氏は加える。「いずれもその状態を続けることは容易ではありません」
いわゆる型番商品の場合、ネット上では簡単に価格比較ができるため、消費者は文字どおり「10円でも安い」商品を探して購入することになる。ECサイトがここでナンバーワンになるには、利益を削って安売りするしか方法がなく、消耗戦になりがちだ。
独自の商品でオンリーワンを目指すのも、一過性の人気に左右されやすく、仕入れや在庫などのリスクが大きい。
「あるお客様に買っていただいても、そのお客様が二度と来店されない、サイトの名前すら覚えていないというのでは意味がありません。そうではなく、同じようなものを買うならこのサイトでまた買いたいと思っていただくことが大切です。それを実現するのが『ブランディング』なのです」
ブランディングというと、商品のロゴなどが浮かぶ。ECサイトなら、デザインやキャッチフレーズなどの印象のことだろうか。
尼口氏はそれを否定し「デザインなどの表現はあくまでも手法のひとつです。大切なのは、そのサイトがどんなサイトなのか、いわばサイトの『人格』を明らかにすることです」と話す。