ベルギー治安当局の「弱点」が再び浮き彫りに 欧州で過激派の攻撃を最も受けやすい国

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 3月22日、ベルギー治安当局が最重要指名手配犯を拘束した週末、同国政府は新たな攻撃が発生する可能性があると注意を喚起した。写真は爆発のあった地下鉄駅に集まった警官や救急隊、ブリュッセルで撮影(2016年 ロイター/Vincent Kessler)

[ブリュッセル 22日 ロイター] - ベルギー治安当局が最重要指名手配犯を拘束した週末、同国政府は新たな攻撃が発生する可能性があると注意を喚起した。その警告は即座に現実のものとなった。

首都ブリュッセルで22日、空港と地下鉄で相次いで爆発が発生し、少なくとも30人が死亡。攻撃後に過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を発表した。

昨年11月の仏パリ同時攻撃の実行犯らの拠点がベルギーに置かれていたことが判明して以降、ベルギーは治安能力強化に4億ユーロ(約4億5000万ドル)を追加で投じると表明。しかし22日の攻撃は、治安強化への道のりが非常に長いものになることを示した。

複雑な政治構造、スパイ機関の資金不足、原理主義指導者に対する寛容性、武器の闇市場など、ベルギーを欧州で過激派の攻撃を最も受けやすい国にする要素は多く存在すると、専門家は指摘する。

パリ同時攻撃の実行犯として国際手配されていたサラ・アブデスラム容疑者をブリュッセルで18日に拘束したことは、ベルギー治安当局の大きな手柄となった。しかし同容疑者は4カ月もの間、同市周辺に潜伏していたとみられ、治安当局が直面する課題の難しさを示していることも事実だ。

22日の攻撃が同容疑者の拘束と直接関係しているかどうか判断するのは時期尚早だ。米当局者は、拘束前に今回の攻撃が既に計画されていたとの見方を示した。

米政府の関係筋によると、米国とベルギーはパリ同時攻撃以降、新たな攻撃が起こる可能性が高いとみていたものの、いつどこで発生するかは把握できていなかった。

フランスのサパン財務相は、「一部の指導者」の「認識の甘さ」があり、イスラム系住民が集まる地域に対する治安取り締まりが十分に行われていないと発言。パリでの攻撃を受けて広がっていたベルギーの治安政策をめぐる議論を復活させた。

これを受け、ベルギーのディディエ・デュカルメ議員は仏テレビに対し、サパン財務相が述べたようなコメントに「強い苛立ちを覚えつつある」と述べ、2014年にブリュッセルのユダヤ博物館で4人が死亡した事件の実行犯はフランスが拠点だったと指摘した。

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