松下幸之助は「運命が90%」と考えていた

そして「残る10%」が進む船の舵となる

運命というものはあるのでしょうか(写真 :bee / PIXTA)

精いっぱい、努力をしたにもかかわらず、うまくいかないときがある。ふと隣を見ると、楽々と成果を上げている人がいるようにみえる。

なぜこんなことになったのだろうか。努力が足りなかったわけではない。運命というものがあるのだろうか――。人生には、そんな苦い思いを抱くことが多かれ少なかれある。

やはり90%が運命やな

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「今日までの自分を考えてみると、やはり90%が運命やな。電気の仕事をやるにしても、わしがもし大阪でない、別のところにいたらどうであったか。電車を見ることもなかったから、電気の仕事をやろうと閃くこともなかったやろうな。

たまたま大阪の街に出ておった。特にとりたてて力のない平凡なわしが、一応仕事だけでも成功したということを思えば、なおさらのことやな。そういうことを考えてみると、人間はほとんどが運命だとつくづく感じるな。そういう幸運に、わしは心から感謝をしておるよ」

こう、松下はよく言っていた。

そのような考えに反対する人もいるだろう。人間には運はない。すべてがその人の努力と、実力である。努力が人生のすべてを切り開くのだ、と考える人もいるだろう。そこまで言わずとも、努力が大きい、運命は小さいと考える人も多いだろう。

しかしそういう考え方をすると、人間は努力すれば必ず成功する、ということになる。だが、現実は決してそうではないのだ。人生、すべておのれの意のままに動かせるということはありえない。

成功するためには努力しなさい、という。そして、一生懸命努力をしたとしよう。あの人と同じように努力した、それなのにあの人は成功したが、自分は失敗した、そういう場合もある。決して努力が足りなかったとは言い切れないことがある。ひとつの運命として考えるしかない。やはり人間は、ひとつの運命をそれぞれ担っているのである。

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