北海道新幹線は「B級」観光資源で勝負すべき

函館をいかにアピールできるかが鍵

2016年に北海道新幹線が開業する。北陸新幹線のように成功するためには、「函館」をいかにアピールできるかが重要だ(写真 : fpd2010 / PIXTA)
日本を代表する3大シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所に、6回にわたって2016年の日本を予測してもらう本連載。第5回は、『経済がわかる 論点50 2016』を上梓したみずほ総合研究所の岡田豊氏が、2016年に開業する北海道新幹線の経済効果を分析する。

観光特需に沸いた北陸新幹線の再現なるか

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北海道新幹線は新青森駅にて東北新幹線と接続し、2031年春には東京駅・札幌駅間の直通運転となる予定であるが、そのうち新青森駅・新函館北斗駅間が2016年3月26日に先行開業する。

北陸新幹線は2015年の各種流行ランキングの常連となっているように、新幹線開業・延伸では久々に大きな話題となった。特に観光面での効果が大きく、北陸の著名観光地は大いに賑わっている。そのため、北海道新幹線でも北陸新幹線のような観光特需を期待する声が少なくない。そこで、北海道新幹線と北陸新幹線を比較してみたい。

たとえば、観光資源ではどうだろうか。2015年春の北陸新幹線の開業区間(長野駅・金沢駅間、約230キロ)には、金沢以外にも黒部ダムなど著名観光地が沿線周辺に並び、北陸新幹線はいわば観光新幹線的な様相を呈している。一方、北海道新幹線の開業区間は北陸新幹線より短めの約150キロで、その間に設置されるのは奥津軽いまべつ駅、木古内(きこない)駅、新函館北斗駅である。函館以外の沿線は、北陸新幹線の沿線ほど観光客を誘致するのは難しそうだ。

「出張後の一杯」という余裕はあまりなさそう

そのうえ、北陸新幹線は北陸と東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)との時間短縮効果が大きかった。東京などから富山や金沢へのアクセスはこれまで不便で、とくに金沢は、最速の空路を利用するとしても、最寄りの小松空港からバスで約40分かかるのが難点であった。

それが、北陸新幹線開通により、東京駅・金沢駅間が約2時間半で結ばれた。所要時間が空路より優位になるとされる4時間を大きく切ったので、今までは空路を利用していた人でも、新幹線に切り替える人が相当出ている。

しかも、金沢駅発の終電が21時に設定されるなど、北陸新幹線の開業により現地に遅くまでいることができるようになった。これは日帰りがメインの出張族には非常にうれしいことで、仕事後に一杯飲みながら地元のグルメを楽しむことが容易になった。

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