2016年「仮想現実サービス」群雄割拠の時代へ VRがもたらす新たなエンタメの世界

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新型VR機器「Oculus Rift」発表会見の模様(写真:AP/アフロ)
日本を代表する3大シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所に、6回にわたって2016年の日本を予測してもらう本連載。第3回は、『ITナビゲーター 2016年版』を上梓した野村総合研究所(NRI)の山岸京介氏が、仮想現実(VR:Virtual Reality)の進化による新たなゲーム・エンターテインメント体験について展望する。

「頭部装着ディスプレイ」が次々に登場

東京オリンピックの先にある未来を読み解く。ネット・リアル融合時代のIT市場を徹底予測

ゴーグルやヘルメットのようなかたちのHMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)を頭部に装着する。目の前には宇宙空間が広がる。自分は戦闘機のコックピットの中にいて、近くでは巨大な宇宙戦艦が激しい戦いを繰り広げている。画面を変えると、エベレスト登山隊の一員として仲間の隊員に励まされながら、激しい吹雪の中を少しずつ歩んでいる。

実際に自分自身が宇宙や雪山にいるような錯覚を覚えながらも、疲れたら電源を切れば、いつもの自室に戻ってくることができる。仮想現実(VR: Virtual Reality)を用いることで、気軽にこのような体験ができる日が、いよいよ近づいてきている。

2012年、米国ベンチャー企業Oculus VRによる最新技術を使ったVR機器の発表は、全世界のゲーム・エンターテインメント業界に驚きとともに迎えられた。開発は難航しながらも、2014年、米国SNS最大手フェイスブックによって20億ドルで買収されたことで弾みがついて、製品・サービスのブラッシュアップは一気に進んだ。そしていよいよ、2016年前半に、正式な製品となるオキュラスリフト(Oculus Rift)が発売されようとしている。

加えて、その発売にあわせるように、韓国のサムスン電子からは同社製スマートフォンをゴーグル型フレームに装着するGear VRが、日本のソニーからは同社のゲーム機器と連携するPlayStation VRが相次いで発表、および発売の運びとなり、2016年には大手企業の端末の多くが出そろうことになる。

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