栃木・宇都宮に「LRT」が走る日は来るのか 路面電車に大規模投資、増える自治体負担
北関東最大の都市に、多くの都市交通関係者の目が注がれている。
1993年度から市内東西方向の交通軸を検討してきた宇都宮市で、2012年の市長選挙にLRT(次世代型路面電車システム)導入を争点の1つに掲げて佐藤栄一氏が三選して以来、同市がLRT導入に向け加速しているからだ。
軌道系交通として近年例のない大事業
そもそも「宇都宮LRT」が注目される理由は、約15キロメートルもの線路をゼロから敷設し、営業主体と呼ばれる運営事業者を新たに選定するなど、わが国の軌道系交通としては近年例のない大規模事業であるからだ。
20世紀後半にモータリゼーションの影響を受けて廃止が続いた日本の路面電車は、近年は地球環境に優しく高齢者・身障者が利用しやすいことから見直しの機運にある。
しかし、日本初の本格的LRTとして2006年に開業した富山ライトレールはJR路線の後継であり、富山地方鉄道富山軌道線の環状線化やJR富山駅乗り入れ部分も含めて、新設部分は合わせて約1キロメートルにすぎない。
今年12月には、札幌市電の「すすきの-西4丁目」間が延伸され環状運転が始まるが、こちらも約400メートルの延長に留まっている。宇都宮LRTが、いかにビッグプロジェクトであるかがわかるだろう。
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