「江ノ電」が50年前の車両も使い続けるワケ

乗客1700万人!「江ノ電」の強さの秘密①

江ノ電の強さと魅力の秘密を、同社前社長の深谷研二氏が語る
テレビなどでおなじみの江ノ島電鉄(江ノ電)だが、その全線は藤沢―鎌倉間のわずか10kmにすぎない。それにもかかわらず、年間乗客は1700万人に達し、ローカル鉄道では珍しく安定的に黒字を出し続けている。江ノ電はなぜ、それだけ人々を引き付け成功を収めているのか。このたび『江ノ電 10kmの奇跡――なぜ人々を引きつけるのか?』を上梓した同社前社長の深谷研二氏に話を聞いた。

 

廃線の危機を乗り越え、ローカル鉄道の雄として異彩を放つ江ノ電(江ノ島電鉄)前社長の初著書。テレビなどでも注目度の高い江ノ電について、マネジメントの視点から初めて迫る!

――江ノ電を利用するのはどのような方でしょうか。

おかげさまで、2014年度に江ノ電をご利用いただいたお客様は1700万人を超えており、そのうち500万人が定期のお客様です。そのほかの定期外の1200万人方々の大半が、観光のお客様と私どもでは推定しております。

江ノ電は、数あるローカル鉄道の中で例外的に黒字ですが、経営を支えているのは江ノ電に乗っていただく、こうした観光のお客様なのです。

――1000万人以上の観光客を引き付ける要因とは?

首都圏に近いリゾート地という場所柄にあることはもちろんです。鎌倉、藤沢など湘南という地域が観光のお客様を引き付けている理由のひとつは、非日常の時間と空間を感じたいという気持ちのようです。江ノ電自体も、こうした非日常性を感じる風景のひとつとしてとらえていただいているようです。

江ノ電は藤沢と鎌倉を結ぶ路線ですが、お客様にとってこの2つの町を移動するのに使える鉄道はほかにもあります。JR線を使っても藤沢と鎌倉を移動できますし、実は、移動にかかる時間はJRを利用するほうが短いですし、運賃も安いのです。

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