「トーマス列車」鉄道会社が赤字に陥ったワケ

崖っ縁大井川鉄道は生き延びられるか(上)

SL急行人気に支えられてきたが、近年は複数の要因から利用者が低迷している

大井川鉄道(正式社名は大井川鐵道)の「トーマス号」の運転が、今年も6月7日からスタートした。

トーマス号は、蒸気機関車C11に「きかんしゃトーマス」のキャラクターをそのまま装飾した特別列車で、運行初年の昨年は100本運行されて乗客6万人を集め、その人気ぶりは全国メディアでも取り上げられた。今年はC56を装飾した「ジェームス号」も仲間となって計180本の運行が予定されており、10万人の乗客を見込んでいる。

トーマスデザインのSLはすでに鉄道発祥の地イギリスで走っていたが、アジアではもちろん大井川鉄道が最初である。きっかけは京阪電気鉄道だった。

成功モデル「SL急行」の利用者が急減

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大井川鉄道で大人気の「トーマス列車」。写真提供: ©2014 Gullane (Thomas) Limited

京阪は2006年からトーマスキャラクターを施した電車を走らせていた。また、旧特急車の3000系を譲り受けた大井川鉄道とも鉄道ファン向けの共同キャンペーンで関係を深めていた。そうした縁が奏功して、トーマスの権利者であるソニー・クリエイティブプロダクツの提案で日本版トーマス号の運転候補として大井川鉄道に話が持ち込まれたのだ。

絵本の世界そのままの姿で走る蒸気機関車は、小さな子どもたちはもちろん、かつて鉄道少年だった30〜40歳代のお父さんたちをも魅了した。

そうした賑わいの反面、昨年2月に突然、大井川鉄道の経営再建問題が浮上した。2012年3月期決算から3期連続赤字となり、経営陣は自治体の支援を求めていた。今年5月末になって、地域経済活性化支援機構と新スポンサーの手に委ねられることが発表された。

なぜ、大井川鉄道がそこまで追い詰められていたのか。近年の動きを振り返りながら、経営再建のための方向性を考えてみよう。

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