
市場調査を全否定し、規格外を生み出した家電メーカー

バルミューダというメーカーが2010年に発売した、「GreenFan」という扇風機があります。この扇風機は、2重構造の羽根を採用しており、速度の異なる2種類の風をつくって気流を変化させ、自然に近い風を再現しています。従来の扇風機の人工的な風とは違い、心地よい「微風」が吹くのが特徴です。
エアコンや従来型の扇風機の人工的な風が苦手な方は多いでしょう。当たり続けると「だるさ」を訴える方もいるようです。「涼しくなりたい。でも、人工的な風はヤダ!」という人々の要望に、自然な微風を送るというアイデアで応えた初代「GreenFan」は、扇風機としては高額な3万円台でありながらヒットし、高級扇風機という新しい市場を作り出しました。
バルミューダの代表取締役社長の寺尾玄氏は「商品開発のとき、マーケット調査はしない」と述べています。なぜでしょうか。それは、「多くの人の言うことを聞いていたら、普通のものになってしまう」ことを熟知しているからです。
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