一流は、自分の「市場価値」なんて気にしない

「常識破りの扇風機」を生んだ「規格外」の発想

「規格」を疑い、突破したときに、真のイノベーションが生まれます(写真:deltaart / PIXTA)
「画期的な新商品をつくろう」「今までになかった斬新なサービスを」
新しい市場を求めて、会社はこうしたハッパをかけてくる。「画期的」で「斬新」なアイデアが簡単に出てくるわけねぇだろう! と思っている方も多いだろう。
シートを埋めたら、アイデアが生み出され、そのアイデアをビジネスモデルに仕上げることができる。しかも、そのシートを使って、出資を受けるビジネスが続々と誕生している。そんな夢のようなシートがあるとしたらどうだろうか。
自身では不動産事業の立ち上げ・売却を経験し、野村総合研究所で数々の独立起業・社内起業の支援、新商品・新サービスの開発に携わった山口高弘氏は、著書『アイデア・メーカー』の中で、そのシートを紹介している。
本連載では、そのシートの考え方の根幹である「アイデアの作り方」と「ビジネスモデル設計スキル」を解説してもらう。

 

市場調査を全否定し、規格外を生み出した家電メーカー

企画シートを埋めれば、アイデア、ビジネスモデルが完成していく。このシートから生まれたアイデアで出資を受けるビジネスが続々、誕生! アイデア、ビジネスモデルを創り出す「型」を身につけるための教科書+問題集。

バルミューダというメーカーが2010年に発売した、「GreenFan」という扇風機があります。この扇風機は、2重構造の羽根を採用しており、速度の異なる2種類の風をつくって気流を変化させ、自然に近い風を再現しています。従来の扇風機の人工的な風とは違い、心地よい「微風」が吹くのが特徴です。

エアコンや従来型の扇風機の人工的な風が苦手な方は多いでしょう。当たり続けると「だるさ」を訴える方もいるようです。「涼しくなりたい。でも、人工的な風はヤダ!」という人々の要望に、自然な微風を送るというアイデアで応えた初代「GreenFan」は、扇風機としては高額な3万円台でありながらヒットし、高級扇風機という新しい市場を作り出しました。

バルミューダの代表取締役社長の寺尾玄氏は「商品開発のとき、マーケット調査はしない」と述べています。なぜでしょうか。それは、「多くの人の言うことを聞いていたら、普通のものになってしまう」ことを熟知しているからです。

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