「画期的な新商品をつくろう」「今までになかった斬新なサービスを」
新しい市場を求めて、会社はこうしたハッパをかけてくる。「画期的」で「斬新」なアイデアが簡単に出てくるわけねぇだろう! と思っている方も多いだろう。
シートを埋めたら、アイデアが生み出され、そのアイデアをビジネスモデルに仕上げることができる。しかも、そのシートを使って、出資を受けるビジネスが続々と誕生している。そんな夢のようなシートがあるとしたらどうだろうか。
自身では不動産事業の立ち上げ・売却を経験し、野村総合研究所で数々の独立起業・社内起業の支援、新商品・新サービスの開発に携わった山口高弘氏は、著書『アイデア・メーカー』の中で、そのシートを紹介している。
本連載では、そのシートの考え方の根幹である「アイデアの作り方」と「ビジネスモデル設計スキル」を、3回に分けて解説してもらう。
初めまして、山口高弘と申します。今回から3回にわたって、具体的な「ヒット商品」の例を挙げながら、「アイデアの作り方」と「ビジネスモデル設計スキル」を解説していきます。
今回は、最初にワコールが2010年4月に発売開始した、大きな胸を「小さく見せるブラ」という商品をご紹介しましょう。
「小さく見せるブラ」というのは商品名なのですが、これを読んだ瞬間、「あれ、逆じゃないの?」という疑問を持たられる方もいらっしゃると思います。特に男性の中には、理解できない方もいるかもしれません。ですが、間違いではありませんよ。
このブラジャーは、「バストをコンパクトに見せたい」「無理に寄せて上げたくはない」という声に着目し、20~30代の女性を対象に開発されました。バストのボリュームが抑えられるので、洋服を着たときシルエットがすっきりしてスリムに見え、「シャツのボタンにすき間ができる」という、バストサイズが大きな女性の悩みも解消しています。
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