「北斗星」ラストランにふさわしい名曲とは?

「聴き鉄」紀行~夜行列車で聴く音楽編~

約60年続いた夢の寝台特急ブルートレインの時代も幕を下ろすことに。「北斗星」のラストランにふさわしい名曲は?(撮影:尾形文繁)

深夜ふと目が覚めると、まだ外は暗い。JRのロゴ入り浴衣を着た体に「ガッシャン」と重たい衝撃を感じる。北の大地を目指して走り続けていた列車が、機関車を付け替え、再び動き出したようだ。

時計を見やるとまだ午前4時頃、場所を確認すれば、そこは青森近辺。これから青函トンネルか。目が覚めてしまったので、流れゆく街の明かりを目で追いながら残りの酒を消費しつつ、ヘッドフォンですこし音楽でも聴こう……。

こんな旅が楽しめる機会も、もうあとわずかとなってしまった。

まずはお気に入りの楽曲を紹介したい。カップリング曲だが、旅情あふれる名曲だ。

『夜行列車』ハックルベリーフィン(Victor Entertainment, Inc.)

■ 夜行列車 ■

※Apple MusicやAWAでも聴くことができます。

2015年8月22日札幌発の便をもって、臨時列車として存続していた寝台特急北斗星が廃止となる。北海道へ渡る列車は、2016年3月開業予定の北海道新幹線へとバトンタッチといった形だ。

北斗星は青函トンネルが開通した1988年3月から約27年間、走り続けた。最大で上野~札幌間3往復、ニセコやトマムまで延長運転を行っていた華やかなりし頃を思うと寂しさを禁じ得ない。これによって、約60年続いた夢の寝台特急ブルートレインの時代は幕を下ろすことになる。

今も走る夜行列車はごくわずか

この連載の過去記事はこちら

今年41歳となる私の少年期はいわゆるブルートレイン黄金世代。ヘッドマークがずらりと並んだ下敷きを眺めながら「いつか必ず乗る!」と強烈にあこがれを抱いた半ズボン少年だった。夜行列車、とりわけブルートレインには思い入れもひとしおで、時代の流れとはいえ廃止による寂しさは非常に胸にくるものがある。

過去に走っていたが新幹線に役割をゆずったり、廃止の発表があるならともかく、利用者減で設定そのものが突然なくなったり、夜行列車は徐々にその数を減らしていった。今、もし夜行列車に乗りたくなったら、以下の列車には乗ることができる(臨時列車・団体列車を含む)。風前の灯火のようにかろうじて残っているもの、新たな使い道で生まれ変わったものなどさまざまだ。

JR
・寝台急行はまなす(青森~札幌)
・寝台特急サンライズ出雲(東京~出雲市)
・寝台特急サンライズ瀬戸 (東京~高松)
・(臨時)快速ムーンライト信州(新宿~白馬)
・(臨時)快速ムーンライトながら(東京~大垣)
・(臨時)特急カシオペア(上野~札幌) ※2015年度末に廃止と報道
・(臨時団体)特別な「トワイライトエクスプレス」(関西から周遊)
・(臨時団体)ななつ星in九州(博多駅から周遊)
東武鉄道
・(臨時団体)尾瀬夜行23:55/スノーパル23:55(浅草~会津高原尾瀬口)

 今後運行開始予定が発表されているものは、JR東日本の「トランスイート四季島」とJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞光」だ。ラグジュアリー感を前面に押し出しているのは「ななつ星in九州」同様。ビジネス利用や若者向けの格安な移動手段として定着した夜行バスや飛行機とは完全に差別化し、ぜいたくを楽しむために高級ホテルを利用する客層を意識しているといっていいだろう。

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