積水らの定額リフォームは「儲からない」? アマゾンとの取引開始で浮上する課題

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リフォーム商品のインターネット販売を始めた、アマゾン ジャパンのジャスパー・チャン社長。ダスキンのハウスクリーニングも取り扱う(撮影:今井康一)

アマゾンが、キッチンやバス、トイレなどのリフォームサービスを提供する「リフォームストア」を開設して、約2週間。アマゾン ジャパンのジャスパー・チャン社長は「品ぞろえ、価格やサービス内容の明確化、商品を選びやすくする利便性」を重視し、「ワンクリックで、バスやトイレなどを工事費込みで買える」と胸を張る。

当初から参加していた積水ハウス、大和ハウスリフォームに、7月からはソニー不動産が加わり、出品企業は3社となった。「申し込みはそれなり」(積水ハウス)、「驚くほどではない」(大和ハウス)と言うものの、すでにいくつか注文が入っているようだ。

富士経済の調査によれば、リフォーム市場は2014年度に駆け込み需要の反動減で7兆8700億円と縮小したが、住宅ストックの積み上がりや、エコポイントなど国による支援策を受け2015年度に好転、8兆円を超える。国が中古住宅の流通やリフォームサービスの拡充に力を入れていることもあり、今後この市場がさらに広がることは確実。各社あの手この手でシェア拡大を狙う。

まだまだ試験的な部分が多いこのサービス。積水ハウス、大和ハウスともに「とにかく初めてのことなので事業をスタートして、不都合な部分があればその都度、修正していく」とする。ソニー不動産も「あくまでひとつのチャレンジ。そんなにいきなり売れるとは思っていない」と話す。このような状況のなか、すでにいくつかの疑問点が浮かんでいる。

採算が悪くなる可能性あり

まず、料金についてだ。まだ展開地域は限られている(積水ハウス21都府県、大和ハウス8都府県、ソニー不動産4都府県)が、このリフォームサービスは基本的に全国一律料金という設定。消費者にとっては価格の透明性が高まる一方、業者側にとっては採算が悪化する懸念もある。

積水ハウスのリフォーム例(撮影:今井康一)

たとえば積水ハウスのキッチンの場合、全国共通、施工費込み、税込みで84万3000円という定額パッケージを用意している。キッチン本体はなんと定価の43%引きだ。確かにバスタブや洗面台などの資材は、大量購入することで価格交渉の余地が生まれる。だが、人件費は大量に雇ったからといって、安い賃金ですむわけではない。

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