足の裏でつかめ

プロゴルファー/青木 功

 良い季節になりましたね、ゴルフ好きには。

さて、今回は足の裏について考えてみたいと思います。これってすごく大切なことなんです。
 その前に。言うまでもなくボールはクラブのヘッドで打つわけですから、そのクラブと体の接続部分、グリップはボールを打つための重要な要素。これが上手くいっていないと思いどおりの球筋は打てません。イヤ、グリップがあまり良くなくても、ある程度のボールは打てますが、大きな飛躍は望めないという意味です。
 それと同じように、地面と体の接点はたった1カ所、足の裏です。グリップと同じように、そこの部分が地面としっくりいっていないと、ヘッドのパワーが上手くボールに加わらないのです。

ですが、現代人は革靴やスニーカーを履いて町を歩き、それも舗装された平らな道を歩いているんで、自然に足の裏が鈍感になってしまっているように思えます。もし、普段から砂利道を裸足で歩いていれば足の裏がもっと敏感になり、ゴルフの上達には役立つのかもしれません。ゴルフコースは、平らなようで結構凸凹の所が多いんです。
 足の裏が敏感だとその傾斜に自然に対応し、バランスの良いアドレスが取れてナイスショットの確率が高くなります。グリーン上でも、足の裏で上り下りを感じられると、パットに不安感がなくストロークがスムースになり、ボールの回転もよくなりますからカップに入りやすくなりますね。
 しかし、ゴルファーはどうしても上半身、それも腕をどう振るかばかりを考えがちです。足腰を鍛え、そこをどう使うかを考えるともっと上達もするし、いくつになってもゴルフができる、そう思うんですね。

私も19歳でプロ入りして7年間も勝てない時期があったんですが、最初はプロになったらすぐに勝てて飯が食える、そう思っていたんですね。でも、そうはいきませんでした。
 何で上手くいかないか、周りの野球選手やボクシングの選手を見てみると、皆、走り込みに重点を置き足腰を鍛えることを基本にしてたんです。
 負けず嫌いの自分は「同じスポーツ選手、自分だって走れるわい」と、以来、ボールを打つよりも走る時間を大切にするようにしました。走るときに工夫したのは、ただ走るんではなく足の指先で地面をつかむように走ったのです。当然、歩く時も同じです。すると、足の指も強くなり敏感になる。それに加えて、足の裏に目があるかのように足の裏全体で登りや下りを確かめる。これがスイング作りに役に立ちます。
 ボールに向かって構えたら足の裏全体で地面をつかむんです。すると体重が足の土踏まずにかかり、体に軸ができますね。と同時に、テークバックを始めるわけです。これが自然にできるようになれば、「あれ、スイング変わりましたね」。
 ゴルフ仲間にそう言われますよ。

プロゴルファー/青木 功(あおき・いさお)
1942年千葉県生まれ。64年にプロテスト合格。以来、世界4大ツアー(日米欧豪)で優勝するなど、通算85勝。国内賞金王5回。2004年日本人男性初の世界ゴルフ殿堂入り。07、08年と2年連続エージシュートを達成。現在も海外シニアツアーに参加。08年紫綬褒章受章。
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