「若手もバリバリ活躍できる会社」という欺瞞 甘い「まゆつばコピー」に騙されてはいけない

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「こんなハズじゃなかった……」を防ぐために知っておくべきこととは?(写真:KAORU / Imasia)
人生の転換点として、誰もが通り抜けなくてはいけない就職活動。多くの人がつらい思い出を持つその背景には、学生と企業の間に横たわる大きな溝があるという。本連載では、ドラマ化もされた人気コミック『エンゼルバンク~転職代理人』に登場するカリスマ転職代理人・海老沢康生のモデルになった筆者が、人気企業が隠している「裏側」の本音をバカ正直に明らかにしていく。

 

人気企業が隠している採用の「手口」をバカ正直に書いて大好評の本書。どれくらい「バカ正直」かというと……
「大学名で差別はありますか?」
「もちろんあります」

「いわゆる学歴フィルター?」
「もっと巧妙にやってます」

これくらいです!

前回は、日本企業と欧米の雇用形態の違いを説明しました。「日本企業も欧米企業も一長一短」という、ある意味、当たり前の結論だったのですが、このような「一長一短」は、日本企業の間でも当然、ありえます。

就職ナビサイトに掲載される募集広告では、「若くてもバリバリ働ける」というたぐいのコピーをよく見かけます。「下積みの時間が長いより、早く一線で活躍できたほうがいい」と、心引かれてしまう人もいるかもしれませんが、こうした広告を額面どおりに受け取ってはいけません。

すべてがウソとまでは言えませんが、多くの場合、かなり脚色されていて、実際に広告に出てくるような人は、その企業の中でもホンの少数のレアケースであることが少なくないからです。つまり、ほとんどの人はそうはなれないのに、あたかも、「君も彼(彼女)のようになれる」と思わせているので、まゆつばものだと受け止めておくべきです。

ただし、すべての会社で長い下積みを経験しなくてはいけないかというと、実はそうでもありません。大手でも20代で早々に芽が出る人が多く現れるような企業も確かにあります。しかし、そういった会社も問題がないわけではありません。

たとえば、仕事の底が浅いため、その後に伸びる余地がなく、仕事に飽きるのも早いということも、こうした会社では起こりがちです。そんな会社に知らずに入ってしまったら、30代、40代になったとき、どうするのでしょうか。

次ページ経験が生きる仕事と、若くても活躍できる仕事は別
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