新入社員「宴会芸をしたくない」は、甘えか!? 安易な「欧米企業礼賛」に惑わされるな

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時にこんな「ノリ」を求められるのも、サラリーマンのつらいところですが……(写真:xiangtao / Imasia)
人生の転換点として、誰もが通り抜けなくてはいけない就職活動。多くの人がつらい思い出を持つその背景には、学生と企業の間に横たわる大きな溝があるという。本連載では、ドラマ化もされた人気コミック『エンゼルバンク~転職代理人』に登場するカリスマ転職代理人・海老沢康生のモデルになった筆者が、人気企業が隠している「裏側」の本音をバカ正直に明らかにしていく。

 

人気企業が隠している採用の「手口」をバカ正直に書いて大好評の本書。どれくらい「バカ正直」かというと……
「大学名で差別はありますか?」
「もちろんあります」

「いわゆる学歴フィルター?」
「もっと巧妙にやってます」

これくらいです!

東洋経済オンラインをご覧のみなさま、初めまして。雇用ジャーナリストの海老原嗣生(えびはら・つぐお)です。

私は、これまで30年近くにわたって人材ビジネス業界に身を置き、企業、学生の両方を見てきました。その経験から、いつも思うのが、「学生は企業のことがよくわかっていないし、学生にそれをきちんと教えてくれる本もない」ということです。そして、この状況が何十年も変わらないことに、いささか「疲れ」を覚えています。

「そろそろ、企業は何を考えているか、手の内をしっかり見せたほうがいいのではないか」という思いで、このたび『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』という本を上梓しました。

この本では、人気企業が新卒採用にあたって、これまで決して表ざたにしてこなかった真実と本音を、赤裸々に紹介しています。就活生の方にとっては、「何だ、簡単だな」とホッとできる部分もあり、逆に「そういうエゲツない世界なのか」と殺伐とした気持ちになるような、生々しい話も紹介しています。

少々、刺激が強すぎるかもしれませんが、まったく的はずれなうわさに恐れおののくよりはいいと考え、「バカ正直」に真実をつまびらかにしています。企業の現実を知れば、学生の皆さんが、ムダな努力を避けることができるからです。

このたび上梓した本は、就活生を主な読者として念頭においていましたが、本書の内容は就活生にとどまらず、広く「働くこと」に悩んでいる人に読んでいただきたいと思っています。そうすればきっと、目の前の悩みを客観的に把握し、「働くこと」の現実がよく見えるようになるからです。

そんな思いから、本連載では、就活生以外の読者の方にも知っておいてほしい「企業の本性」を明らかにしていきたいと思います。

次ページ企業は、学生の「演技力」にはなんの興味もない
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