自民党の参院選公約に盛り込まれるかが注目されたブラック企業の社名公表。かつて「ブラック企業」といえば、悪質な法令違反や暴力的な取り立てが露呈した“ありえない”企業を指したが、今日の見方はそれだけではない。
おそらく自民党では、その数値的な線引きの基準について相当な議論を重ねたと思われるが、現代のブラック企業認定が「働き続けられる会社なのかどうか」を基に判断されているのは間違いない。口コミに踊らされ、考えなしにブラック呼ばわりすることは避けなければいけないが、ブラック企業は決してありえない会社だけとは言えなくなっている。
そこで今回は、自分の目で、働き続けられるかどうかを検証できるデータ「平均勤続年数」に着目して、『就職四季報2014年版』掲載の1135社から、「長く働ける」300社を紹介しよう。
「3年後離職率」の代替指標
入社3年後離職率がブラック企業を判定できる指標として注目を浴びて以来、『就職四季報』調査でも、公表に神経をとがらせる会社が増えてきている。離職率がわからないときでも、だいたいの離職状況がつかめるのが平均勤続年数だ。
平均勤続年数は有価証券報告書で必ず開示しなくてはならない項目なので、上場企業なら必ずわかる。『就職四季報』掲載企業の平均は14.7年。毎年安定して新卒の大卒を採用し、ほとんど中途採用のない会社なら、22歳から定年60歳までの38年の半分、勤続19年程度が「社員がほとんど辞めない会社」の目安となる。
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