グーグルは結局検索以外で稼げないのか 自動運転や宇宙ネットまで自由に翼を広げるが…

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グーグルは自動運転車などさまざまな分野に進出しているが、現在も収益はネット広告収入に大きく依存している

グーグルが検索以外にもさまざまなビジネスを展開していることは、よく知られているとおりだ。しかし投資家が知りたいのは、それらのプロジェクトがいつごろから順調に利益をあげそうなのかということだ。

グーグルが1月29日に発表した2014年第4四半期(10~12月期)の決算によると、売上高の伸びは前年同期比で15%増にとどまった。2014年の総売り上げが600億ドル超の企業としては見事な数字だが、アップルやフェイスブックなど、IT業界のほかの稼ぎ頭には及ばない。

長期的な展望が見えない

今回の決算は、ある不安を煽っている。自動運転車や自動車保険の比較見積りサイトなど、グーグルはさまざまな分野に進出しているが、今も起業当初の事業──インターネット検索に伴う広告収入──に大きく依存していることだ。

グーグルの検索ビジネスは、今も多くの企業がうらやむ存在だろう。検索エンジンやYouTubeなど、グーグルの事業の3分の2強を占める自社サイトからの収入は、この1年で18%増えている。市場調査会社eマーケターによると、アメリカの検索広告市場(デスクトップPCとモバイル端末を含む)におけるシェアは、2014年は71.6%だった。

ただし、広告収入が落ち込んだ場合に取って代わる強固な収益モデルを、グーグルはまだ示していない。過去より未来に関心がある投資家にとって、そこが懸念材料なのだ。

「グーグルプレイやYouTube、グーグル・フォー・ワーク(法人向けサービス)はどのくらい大きなビジネスになるのか。それを知りたい」と、RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・マハニーは言う。

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