グーグルは結局検索以外で稼げないのか 自動運転や宇宙ネットまで自由に翼を広げるが…

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グーグルの幹部はアナリストとの電話インタビューで、あまり知られていない事業に関する質問には回答しなかった。それでも進歩の兆しはうかがえる。グーグルによると、モバイル端末のアプリやストリーミング配信動画を購入できるプレイストアや、法人向けサービスなど、「検索以外の」カテゴリーの収益は、前年同期比で19%増の19億5000万ドルに達している。

それでも投資家は、グーグルの長期的な方向性について慎重だ。「グーグルは何年も前から、投資の70%を中核の検索ビジネスに、20%を検索に付随する分野に、そして10%を『月探査ロケット』に投じる計画を語ってきた」と、証券会社マッコーリー・セキュリティーズのアナリスト、ベン・シャクターは言う。「今はそれとはかけ離れた状態だ。グーグルはどうしようとしているのか」。

 宇宙ネット事業への不安

2014年第4四半期の売上は181億ドルで、前年同期比で15%の増収となった。トラフィック獲得コスト(広告主への手数料)を除いた正味の売上は145億ドル。ブルームバーグによると、アナリストの予想平均の148億ドルに届かなかった。

純利益は47億6000万ドルで、前年同期の33億8000万ドルから増えている。ただし、調整後の1株当たりの利益もアナリストの予想をわずかに下回った。

気になるのは、研究開発費が前年同期の21億ドルから28億ドルに増えていることだ。グーグル幹部の言う『月探査ロケット』投資(宇宙インターネット事業を想定した民間のロケット開発企業への投資など)がかさんでいるが、近い将来に利益が見込めないのではないかという不安を煽るかたちになっている。

今回発表された数字は、ドル高で国外の売上高が圧迫されるなど、一時的な要因の影響もある。グーグルによると、為替変動の影響がなければ売上高は181億ドルではなく187億ドルだったはずだ。

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