再エネ制度見直しでも"最大限導入"は貫く

経産省の新エネルギー対策課長に聞く

再生エネルギーを最大限導入していく国の方針は不変(撮影:今井康一)

九州、北海道、東北、四国、沖縄の各電力会社管内において再生可能エネルギー(以下、再エネ)発電設備の接続申し込みに対する回答保留が起きた問題で、経済産業省資源エネルギー庁は2014年12月18日、固定価格買い取り制度(FIT)の運用見直し案をまとめた。有識者による新エネルギー小委員会と、その下の系統ワーキンググループによる検討結果を踏まえたもので、関連する省令告示改正案について2015年1月9日を期限にパブリックコメント(意見公募)が実施されている。

見直し案では、太陽光発電の接続申し込みが殺到する上記5社及び北陸電力、中国電力において、申し込みが接続可能量を上回った場合、電力会社は現行ルールの上限30日を超えて無補償の出力制御を行うことを前提に接続することが可能になる。今後の接続に関しては、出力制御の対象を拡げ、家庭用も含む500キロワット未満の太陽光発電、風力発電も対象とし、時間単位の制御へ移行する。2015年1月中旬から施行される。

太陽光発電の買い取り価格の決定時期については、3月期末の申し込み集中を避けるため、現行の「接続申し込み時」から「接続契約時」に変更する。2015年4月から適用。また、接続契約を締結し接続枠を確保したまま、接続契約締結後1カ月以内に接続工事費用が入金されない場合や、契約上の予定日までに運転を開始しない場合は、接続枠を解除できるとされた。これは1月中旬から施行される。

こうした見直しの意味合いや影響などについて、所管する経済産業省資源エネルギー庁の松山泰浩・新エネルギー対策課長に聞いた。

"最大限導入"の思想は貫いた

――再エネの全量買い付けを電力会社に義務付けたFITが2年余りで見直しを余儀なくされた。

一部ではFITの制度が破綻したなどとも言われるが、それは誤解だ。また、今回の見直し案で、出力制御の制限をなくしたことで制度が抜本的に変わったとも言われるが、必ずしもそういうことではない。

現行の制度では、電力会社は安定供給のうえで必要となる再エネの出力制御を年間30日まで無補償で行うことができる。今後も基本的には同じだ。ただ、九州、北海道、東北、四国、沖縄の電力会社管区のように、再エネの接続申し込み量が接続可能量を上回った場合、30日という出力制御の枠を取り払って、接続を受け入れることを可能にした。これ以上いっさい接続を受け付けないという選択肢もあったが、われわれはあくまで最大限導入の道を選んだ。つまり、最大限導入という思想を貫いている意味では何ら変更はない。

もっとも、接続可能量の上限に達した地方の事業者から見ると、(無補償の出力制御の上限がなくなることで)自分たちのリスクを取っていかねばならない。どのくらい出力制御がかかるかは、導入量によって変わってくる。それについては、電力会社が試算した見込みを出すことになっており、今後はそのリスクを前提に事業者は入っていくことになる。参入にある程度ブレーキがかかるのはやむを得ない。

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