再エネ接続問題「経産省は古い発想を捨てよ」

飯田哲也氏に日本の政策の問題点を聞く 

長野県飯田市川路城山の「メガソーラーいいだ」 (写真:NOBORU / Imasia)
九州電力などの電力会社が再生可能エネルギー発電設備の系統接続申請に対する回答を保留したことを受け、経済産業省はその対応策の検討を続けている。今回の問題の原因と、今後の再エネ政策のあり方について、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長に聞いた。

政府と電力会社の古い発想が根本原因

いいだ・てつなり●1959年、山口県生まれ。83年、京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修了。96年、東京大学先端科学技術研究センター博士課程単位取得満期退学。原子力産業や原子力安全規制などに従事後、「原子力ムラ」を脱出して北欧での研究活動や非営利活動を経て2000年、NPO法人 環境エネルギー政策研究所を設立して所長に就任。自然エネルギー政策に関して国内外で積極的に提言を続ける。

――接続申請の回答保留を巡る混乱の原因をどう考えるか。

直接的原因は、電力会社と経済産業省による制度設計や運用のお粗末さにある。地権者の同意のない場所の案件にも設備認定を与えたり、同じ場所に複数の設備認定を出したりするケースも多い。経産省は外形さえ整えば設備認定を出してしまう。それが電力会社の送電部門で引っかかって、本来の接続義務を果たせない。だから、設備認定量が7000万キロワット以上あっても、導入量は1000万キロワット強にすぎないというギャップができている。

太陽光については、買い取り価格40円(1キロワット時当たり、税抜き)の分が約2000万キロワット、36円の分が約5000万キロワットと大盤振る舞いして設備認定を出した。(価格改定直前の)3月に駆け込み申請が集中することも当初から想定されていたことだ。ドイツのように毎月2%ずつ価格を下げることも含め、FIT導入1年後に制度設計についてもっと詳細に検証すべきだった。

より底流にある原因として、電力会社の電源運用の発想が欧州型の新しいOS(オペレーティングシステム)になっていないという問題もある。気象予測や発電ピーク時の出力抑制、会社間連係、揚水発電、分散型電源の活用などによって再エネ導入を最大化する準備ができていない。経産省もそれを促進する態勢ではなかった。こうした古いOSがアップデートされずにいる。

さらに根っこにあるのは、かつての日本海軍の”大鑑巨砲主義”と同様、政府や電力会社が古い発想に基づいたエネルギー政策の神話に凝り固まっていることだ。分散型エネルギーへダイナミックに変わるべき時に、古い固定観念に基づいて、(大規模集中型の)原発がベースロード電源であると強引に認めさせようとしている。

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