孫社長、意中の後継者はいったい誰なのか?

ソフトバンク前社長室長が明かす、その条件

希代の経営者が課す「後継者の条件」とは?(写真:尾形文繁)
稀代の経営者は、そのとき何を決断し、行動したのか? 参謀が語るソフトバンク怒濤の8年間の「正史」。1/9発売予定。電子書籍にて先行発売中
 中国ネット企業アリババのニューヨーク証券取引所上場で10兆円に及ぶ株の含み益を手にしたと思えば、インドへの1兆円投資を宣言。ロボットビジネスへの参入を決め、米国通信3位のスプリント買収で世界有数のケータイ会社にも躍り出たソフトバンク。2014年もソフトバンクと孫正義社長は、ビジネス界に大きな話題を振りまいた。
 1代で売上高6兆円の巨大企業グループを造り上げた希代の経営者はしかし、突出するあまり、後を任せる人材がいるのか、という問題を抱える。「ソフトバンク最大のリスクは後継者問題だ」とは、つねに繰り返されている指摘だ。
 「孫社長の参謀」と呼ばれ、2014年まで8年間にわたり社長室長として孫社長の最も間近で接してきた、現ソフトバンク顧問の嶋聡氏。その嶋氏が小社より新刊『孫正義の参謀』(1月9日刊行、電子書籍にて先行販売中)を上梓する。孫社長は、後継者にはどういった人材がふさわしいと考えているのか? 参謀にしか語れない「後継者の条件」について寄稿していただいた。

「後継者育成は10年かかる」と孫社長は言った

2005年11月。郵政解散総選挙で議席を失った私は、3期9年を務めた衆議院議員からソフトバンク社長室長に転じた。世界では普通である「政界からビジネス界へ」のトップランナーになりたいというのが私の思いだった。

入社当時、ソフトバンクの売上高は1.1兆円、営業利益はやっと黒字に転じたところだった。それから8年。社長室長を卒業し、ソフトバンク顧問となった2014年3月には、売上高6.7兆円、営業利益は1兆円を超えた。少しはソフトバンクの成長に貢献できたし、「政界からビジネス界へ」というロールモデルを提示できたのではないかと思っている。

その間のソフトバンクの飛躍的な成長の記録は『孫正義の参謀――ソフトバンク社長室長3000日』に書いたので、ぜひそちらを読んでいただきたいと思う。

ソフトバンクが創業30年を迎えた2010年のことだった。孫社長は、「私の現役時代最後の大ボラ」「30年に1回の大ボラ」として「新30年ビジョン」を発表した。

そこで孫社長は、ソフトバンクの30年後の目標は時価総額200兆円、世界トップ10の会社になることだと宣言したのである。当時の時価総額は3兆円、世界ではなく日本で14位と、まだトップ10にも入っていなかった。まさに大風呂敷の目標である。

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