流行語大賞の「メディア陰謀説」は本当か 「集団的自衛権」「ダメダメ」W受賞はなぜ?

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東洋経済オンラインに集いし、労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である。
今年も「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。2014年の大賞は「集団的自衛権」と「ダメよ~ダメダメ」。マスメディアでも、ネットメディアでもかなり取り上げられたので、知っている人も多いだろう。もっとも、この賞には批判の声もある。「所詮、マスメディアの陰謀ではないか?」「そもそも、流行っていたのか、本当に?」「知らないよ、そんな言葉」などだ。私も正直なところ、そう思っていたこともあった。
しかし!違うのである。この選考プロセスや、選ばれた言葉には、ちゃんと意味があったのだ。『現代用語の基礎知識』編集長であり、「ユーキャン新語・流行語大賞」の選考委員でもある清水均氏を直撃取材した。いま一度、今年を振り返る意味でも、「ユーキャン新語・流行語大賞」を直視せよ!

「もう流行語なんて生まれない」と言われた時代に始まった

常見 今年は「ユーキャン新語・流行語大賞」の授賞式、パーティーの会場に初めて伺いました。

清水 いかがでしたか?

常見 率直に「昭和」と「平成」を両方感じました。その間、といいますか。新しい言葉が周知されて、時代が更新されていくこと、「ユーキャン新語・流行語大賞」を受賞した言葉に「平成」「新しい時代」を感じました。

一方で都内の豪華な会場、東京會舘のフロアを貸し切って、マスコミが多数集まり、大々的に表彰式を行うという形式には「昭和」というか「古さ」を感じました。

清水 ほんとに率直ですねー! でも、そうですよね、古いですよね(笑)1984年の第1回当時から、私も「古臭いな・・・」と思っていましたよ。

常見 そんな古臭いだなんて。でもどうして当時からそう思われていたのでしょうか。

清水 「流行語大賞」と言われても、当時私は20代でしたが、「何も流行ってないよ!なのに流行語を決めるの?」というのが正直な感覚でした。

常見 ダハハ。

清水 だから「現代用語の基礎知識」が「新語・流行語大賞」というイベントを始めるというプランに、ノリきれない気持ちがありました。例えば第1回で流行語部門・金賞を「◯金・◯ビ」という言葉が受賞しました。確かに世間で話題にはなっていましたが、それを「流行語」だとは思えなかったのです。

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