「3.11」以後の「集まり消費」
常見 前回の議論をまとめると、クリスマス年末の過ごし方として「安くみんなで過ごす」という新たな動きがあるということでした。これには何か理由があるのでしょうか。
坂口 百貨店の方から聞いた話では、やはり「3.11」がきっかけとなっているようです。
常見 東日本大震災ですね・・・。
坂口 「3.11」以降、人と集まる機会を大事にしようということで「年末は仲間と、年始は家族と集まる」ようになった人が多いようです。
私個人としては「つながり消費」はかなり雑に使われていて、好きな言葉ではないのですが、百貨店の方が現場感覚でそう仰っていたのが大変に印象的でした。まさに常見さんが前回指摘された「集まり消費」だと言えると思います。
常見 最近、みんなが集まりたがっているように感じています。それは結婚式というイベントにも顕著に表れていて、リクルートの『ゼクシィ』編集長に以前聞いたのですけど、2000年代後半から結婚式が「若者の出陣式」と化しているそうです。
1990年代後半に「ジミ婚」のトレンドがありましたが、2000年にミレニアム婚でまた盛り上がり…。現在は厳しい時代を頑張って生き抜こうという「若者たちの決起集会」となっているそうです。
坂口 決起集会ですか(笑)
常見 そうです。実際に行ってみても、フェイスブックでつながっている若い世代の結婚式を見ても、「集会感」がありますね。ノリとしてはEXILEやAKB48的です。ややヤンキーっぽいというか。結局「インターネットの時代」と煽られても、オフラインで集まることの価値は普遍で、むしろ見直されているような気がしますね。
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