押し寄せる取材の波、「生意気」とお叱り

『もしドラ』の著者が明かす②

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(以下『もしドラ』)が刊行されてから、今年で5年が経過した。その発想から企画、執筆、販売に至るまで、『もしドラ』制作の裏側をあますところなく書き記したドキュメンタリーである『「もしドラ」はなぜ売れたのか?』を、このたび東洋経済新報社から出すことになった。

 本連載では、この本では描かなかったベストセラーの実態――その強烈な「副作用」というものをご紹介していきたい。

生意気でイメージが悪い?!

『もしドラ』は、発売から1カ月が経ち、刷り部数が10万部を越えたあたりから取材の依頼が立て続けに舞い込んでくるようになった。初めは新聞、雑誌など紙媒体からの取材依頼だった。紙媒体と本とは密接な関係にあるので、記者たちはいつもベストセラーに目を光らせているらしい。そのため、ちょっとでも売れ行きがいいと、すぐに取材に来るのだ。

その中で、ぼくはよく「これだけのヒットを予想されていましたか?」という質問を受けた。そこで、正直に「はい、200万部売れると思って書きました」と答えていたのだが、これには毎度、周囲の人からお叱りを受けた。なぜかというと、そういうふうに大きな口を叩くと、生意気に思われイメージが悪いというのだ。

 しかしぼくは、逆に大人しく、穏便な答えをする方が間違いだと分かっていた。なぜかというと、取材記者というのはいつだって、相手が生意気かどうかなどということはほとんど気にしていないからだ。それよりも、その記事を読者に読んでもらえるかどうか、ウケるかどうかを気にしている。だから、どれほど生意気だろうと、見出しになるようなことを言われた方が嬉しいのだ。お叱りを受けるたびに、ぼくは「どうしてそんな単純なことが分からないのか」と疑問に思った。

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