インフレ目標2%時代の「最強」家計防衛術 リスクは取りたくないけど、損もしたくない!

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もちろん、不動産は大きな買い物ですので、何も知らずに購入するのは危険です。不動産投資の勝敗を分ける重要なポイントを必ず事前に学んでおきましょう。

たとえば、東京と地方のどちらで不動産を買うべきか。マンション一棟と区分所有ではどちらが有利か。鉄筋コンクリートと木造のどちらを選ぶべきか。そして、アベノミクスと東京五輪は不動産市況にどのような影響をあたえるのか……といったことは必ず把握しておくべきです。ひとことで不動産投資といっても考慮すべき要素は様々あります。購入を決断する前に、これらのポイントをしっかり理解してください。

「賃貸マンションを買うのは、やはり腰が重い」という人は、自宅を保有することを検討してみましょう。これがインフレ対策として有効なのです。立地や条件にもよりますが値上がりを期待できます。歴史的な低金利の続く間に早期にローン返済を進めることもできますし、拡充された住宅ローン減税を活用できるなど、いまは住宅購入にも多数の特典があるのです。

②安定的な収益を目指すインカムゲイン投資

とはいっても「やはり不動産を買うのは少し話が大きすぎる」と考えるのであれば、分配金や配当金を安定的に得る「インカムゲイン投資」がオススメです。

株やFXなどのキャピタルゲインを目指す投資では「値動きが激しくてリスクが高い」「株価のチェックが忙しくて本業に集中できない」といったことが気になってしまうこともあるでしょう。一方、インカムゲイン投資は株やFXの値上がりを狙って勝負するのではなく、毎年安定した配当収入を得られる債券ETFやREITと呼ばれる投資商品を保有します。

これらの投資商品は、その性質上、株などに比べて日々の値動きは小さく、安定した分配金を払い出すことが特徴です。また、米ドル建てのものが多いため、実質的に米ドルも一緒に保有することになります。

つまり、今後、為替相場が円安ドル高傾向になった場合、為替差益と債券からの分配金の両方を受け取ることができる、一石二鳥の投資なのです。

しかし、低リスクであるがゆえに利回りは高くありません。平均的には毎年5%程度です。これでは面白味がないと思われるかもしれませんが、5年間順調に運用することができれば、複利の効果で27%の利益を得ることができます。こうした収益を得られれば、消費税増税分くらいの支出増を打ち消すことができます。

インカムゲイン投資には、米国債ETFのように安定・低利回りで外貨預金代わりとして適したものから、分配金15%を越える高利回りのものまで多くの投資対象があります。それらの中から、自身の好みで銘柄を選ぶことができるのも魅力の一つです。

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