安倍首相は、解散をするべきではなかった

「負けない戦い」の目論見が外れるとき

安倍首相は、最悪の選択をしてしまったのか(日本雑誌協会代表撮影)

解散はするべきではなかった。

なぜか?安倍首相自身にとって、最悪だからだ。

安倍首相は行くところまで、行くしかない

万全を期すれば、結果は破滅となる。例えば、競馬で馬券を買うときに、来る可能性のある馬をすべて網羅的に買ってしまうと、どの馬が来ても儲からない。当たっても配当は買った額よりも少なくなるから、万全のギャンブルとは破滅あるいは勝つ可能性ゼロとなるのである。波で言えば、最大限まで高くなれば、あとは崩れるしかない。バブルの理屈と同じだ。

同時に、バブルの理屈で言えば、いったん膨らみ始めれば、あとははじけるだけであって、はじけないようにするには、現状維持では駄目で(それは即時の破裂となる)、膨らみ続けるしかない。

金融バブルへの政策的対応としては、そのスピードと上昇幅を制御し、他の領域にバブルが移転しないようにし、そして崩壊に備えるということだが、政権の人気というのは、なかなか制御手段が限られていて、いったん人気が膨らんでしまえば、崩壊するのを防ぐためには、行くところまで行くしかなくなる。それが、今回の解散だ。

金融市場と同じで、首相ですら、人々の期待がコントロールできないばかりでなく、政権内、党内の期待値すらコントロールできなくなり、自分の意思では自分の動きですら決められなくなる。安定した場所に収まるわけにはいかなくなるのだ。

バブルも一度始まれば、その中にいる投資家はもう逃げる道はない。とことん、効率的に儲けて、崩壊しても差し引きプラスとなるように、十二分に儲けることしかない。

次ページ当初は増税延期の是非を問う選挙だったが・・
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