現状に満足と考える人がはまる意外な「落とし穴」 良くも悪しくも今の状況は永遠に続かない

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現状で満足、それ以上は望まないと思う人が陥りがちな盲点を、解説します(写真:Fast&Slow/PIXTA)

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

仕事に対するモチベーションがどうしても上がらず、頑張ることに対する美徳をいまいち認識できずにいます。私はダメな人間でしょうか?
20代半ばで実家暮らし、手取りは20万円あるかないか程度です。お金のかかる生活をしているわけではなく、仕事が終われば直帰。休日も特段何をするでもなく、読書しながらウイスキーをチビチビすすっていることができればそれで十分だと考え、多くは望みません。ちょっとの本代と少しのウイスキー代さえ捻出できれば本望です。そんな生活なので、実家には家賃も払えていますし、無理してこれ以上頑張って稼ぐという気概を持てませんし、そももそ持つ必要を感じていません。
このままで良いのか、努力してもっと良い生活を目指すべきなのか。何のためにというのがわからなくなっています。何か生きるうえでの指針や頑張るために目指すべき方針があればと思うのですが、いかがでしょうか。
IM 会社員

人生設計において一番避けるべきは、今の状態が未来永劫続くという前提を持つことです。

それが「良い状態」が続くという前提であれ、「悪い状態」が続くという前提であれ、現在の自分が置かれた短期的な状況と、自分を取り巻く環境が続くという考えほど、危ないものはありません。

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良い状態が続くと思い込むと、今後直面するかもしれない人生の落とし穴に対する備えがおろそかになりますし、一方で悪い状態が続くと考えてしまうと、物事に対してネガティブになりすぎてしまい、せっかくのチャンスもみすみす逃してしまうことになりかねません。

「今の状態が続く」を考えるのは危ない

つまり、どっちに転んでも今の状態が続くという前提で今後の人生を考えると、ろくなことがないのです。これは自分を取り巻く環境に限らず、さまざまなことに対する考えや志、人生における優先順位といったことについても同様のことがいえます。

IMさんの生き方や考え方がおかしいというつもりはありませんし、間違ってはいないと思います。むしろそれはそれで素晴らしいと思います。

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