玉塚社長、「挫折から再起」の全てを語る! ユニクロでの挫折、再起誓うローソン

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――馬力のある新浪さんが12年ローソンを率いてきた。それでもあまりセブンとの差は縮まっていない。

 新浪さんはダイエーからバトンを受けて、事業を整理整頓して悪しき文化を正し、いろんな取り組みをした。これはものすごくパワーがいることだ。でも今は環境が違う。僕は全部ガラガラポンで、ゼロベースで組み立てようと思っている。組織の在りかたも商品の考え方も、あるいは集中すべき領域も、いろんなことをやり直す。それをこの1年は徹底的にやる。

奇策はない。記事的には全くおもしろくないと思うけど、結局は、商品力や売り場力、現場力。お客様が一番期待しているのは、やっぱりおにぎりとか弁当といった商品力。そういうコアな部分ででセブンに劣後してないのか、向き合って正していく。これは新浪さんの否定ではなく、経営が変わる時のチャンスだと捉えている。

経営とは振り子を振り続けること。新浪さんが振ってきた振り子を、僕はグアーっと戻し、立ち位置を変えながらやっていく。僕がやれるのは全社員が考えて全社員が実行する全社員経営。もしかしたら、新浪時代っていうのは、すごく偉大なボスに依存していたのかもしれない。僕も当然死ぬほどがんばるが、やっぱり現場の社員が考えて実行する、そういうローソンに振り子を戻して、足腰をもう一度強化することが大事だと思う。

買収はローソンの本業強化だ

11月のアマゾンとの提携会見。右はアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長(撮影:梅谷秀司)

――社長になってから、映画館や高級スーパー成城石井の買収、さらにアマゾンとの提携も発表された。今後もこういったことが続くのか。

 成城石井や映画館の買収は、ローソン本業の強化だ。成城石井は小型のSPA(製造小売業)だし、ローソンとは違う顧客層にもアプローチできる。僕らが学ぶところもたくさんある。それに彼らのブランドっていうのはダイヤモンドだと思う。だから僕らのインフラを使い倒してもらえたらいい。彼らは店舗開発部隊が2人くらいしかいない。うちは250人もいる。うちのお店では出店が難しい場所で、成城石井に出してもらうとか、原材料調達や物流でも協力できる。

全国に1万2000もあるお店は、客観的に見たら、非常に価値のあるプラットフォームだと思う。アマゾンのように組めるところとは組んでいって、さらにプラットフォームの価値を高めてこうという考え方。

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