ローソン、成城石井を買収した真意とは? 玉塚元一社長に独占インタビュー
──この買収はシナジーが低いとの評価もある。狙いを聞かせてください。
小商圏の製造小売業という本業の強化だ。成城石井は原材料調達から製造方法まで非常にこだわっている。粗利率が約40%と高く、一方で生鮮品の構成は20%以下で、都市型生活のニーズを満たすモデル。高額消費と低価格志向という二極化が進む中でこれは武器になる。
また関東は、2020年に東京オリンピックもあり、重要な市場だ。だがローソンは関西発祥ということもあって強くない。ローソンでは出店が難しい、(富裕層の多い)都市型の立地や駅構内でも、成城石井なら出せる。
僕も個人的に成城石井が大好き(笑)。ワインはだいたい成城石井で買う。接客もすごくよい。フレンドリーで、売り場もきちんと見ている。このDNAは大事に守る。
われわれが学ぶところはたくさんある
──成城石井は独立心の強い企業ですが。
原さん(原昭彦・成城石井社長)とは、サシでかなり話した。『ぜひ、ローソンのインフラを徹底的に活用させてもらい、成城石井の価値を上げたい』と言っていた。もともと、ナチュラルローソンで成城石井の商品を扱ってきたので、これまで何度もお会いしたことがあった。
まずは、僕らが成城石井を150%理解したうえで、支援するのが大事。『ローソンのスイーツはおいしいから置いて』なんて押し付けるのはよくない。それはダイヤモンドの原石である成城石井の価値を損なう行為だ。(逆に)われわれが学ぶことはたくさんあり、うちのエース級の商品担当を出して勉強させる。
一方でお客様の目に触れない部分で、物流や原材料調達、出店開発などでは貢献できる。成城石井の出店開発部隊は3人ほどだが、ローソンは250人くらいいる。
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