イオン、「本業のスーパーが赤字」の深刻度 第1四半期決算はダイエーの赤字も響いた
本業が惨憺たる結果だった。7月4日にイオンが発表した第1四半期(3月~5月)決算は、本業のGMS(総合スーパー)事業、SM(食品スーパー)事業が、ともに営業赤字に沈んだ。GMSは38億円、SM22が億円の営業赤字(前年同期は各35億円、4億円の営業黒字)。GMSは、今期は第1四半期からダイエーが連結対象になった影響(営業赤字39億円)もあるものの、中核子会社イオンリテールも20億円の営業赤字となっている。
赤字転落の要因は、売上高の伸び悩みと販促費の増加だ。イオンリテールは4月初め、PB(プライベート・ブランド)、NB(ナショナル・ブランド)合計2万品目の価格を据え置き、増税後、実質的な値下げを行い、第1四半期の既存店売上高は前年同期比横ばいを維持した。だが、「当初の計画より下回った」(イオンリテールの梅本和典社長)。客単価は3.5%増となったものの、想定外とも言える客数の3.4%減が響いた。同社では「価格を据え置いただけでは、消費者に値下げや安さの意味が伝わらなかった」と分析している。
イオンが赤字、ヨーカ堂は増益
一方、拡販を狙ったワオンポイントの還元セールの拡大や改装投資を行い、販促費が38億円増加。販管費全体でも78億円増え、営業赤字を余儀なくされた。同業のイトーヨーカ堂が第1四半期に既存店売上高が2.8%の減収になりながら、PB商品拡充による粗利率改善と販管費を前期並みに抑えたことで7.7%の営業増益になったのとは対照的だ。SMの既存店売上高では、マルエツが第1四半期5%増、ヤオコーが4.2%増(単純平均、4~6月)と軒並みGMSを凌いでいる。
イオン経営首脳から出てくるのは「想定よりも消費者の価格志向が強く、消費増税後には、その傾向がより顕著になった。PBやNBの一部のディスカウント、ポイント戦略だけにフォーカスした第1四半期の増税対策は、中途半端な対応となり、お客様に安さのメッセージが伝わらなかった」(イオン・森美樹副社長)、「関東圏の同業他社とイオンリテールの食品の既存店伸び率には大きなかい離がある。増税後、生鮮3品を中心に組み立てたが、他社の店頭やチラシを見ると価格対応が不充分だった」(梅本社長)と反省の弁ばかりだ。
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