30年後、日本は「明るい廃墟モール」だらけ!?

ピエリ守山に学ぶ、失敗するモール・成功するモール

 郊外のショッピングモールは、今や下流ファミリーのたまり場ではない。あらゆる層のニーズを満たし、若者からお年寄りまで続々と押し寄せるパワースポットと化した。中でも人気なのが、「イオンモール」と「ららぽーと」だ。商業施設の巨大化・進化につれて、そこに集う「イオニスト」「ららぽーたー」が増殖している。
 人々は何に魅せられてショッピングモールに行くのか? 人気ショッピングモールの背景を5日連続で分析する。5日目は、失敗するモールと成功するモールの分析をする。
1日目「地方都市は『ほどほどパラダイス』になった!」はこちら。
2日目「大都市郊外の働く母は『モールと生きる』」はこちら。
3日目「イオニストの先生は、よしもと芸人だった!」はこちら。
4日目「ららぽーたーに漂う『セレブ臭』のナゾ」はこちら。

 

今年2月に休館したピエリ守山  (写真:読売新聞/アフロ)

なぜピエリ守山に客が来なかったのか

日本にあるショッピングモールの数は3134(日本ショッピングセンター協会調べ、2013年12月末時点)。当然ながら、すべてのモールが繁盛しているわけではない。

たとえば、「明るい廃墟」「ネオ廃墟」と呼ばれる「ピエリ守山」、滋賀県琵琶湖畔にたたずむ正式名称「琵琶湖クルージングモール ピエリ守山」は、商業施設面積約5万5000平方メートル、200近くのテナントを擁して2008年9月にオープンしたが、客がさっぱり入らず、次々とテナントが去って2013年末に3店舗となり、今年2月末に休館した。

以前からネットでは、人っ子ひとりいない「ピエリ守山」の異様な光景が話題となっていた。

「【衝撃画像】滋賀県最大級の大型モール・ピエリ守山の過疎化がヤバすぎる」

「なぜ存続?「ピエリ守山」が生ける廃墟モールと化した経緯と理由」

休館後は、『日経ビジネス』(2014年3月17日号)で、「“巨大廃墟モール”ピエリ守山に見る 街作り失敗の研究」という特集が組まれたほど世間の注目を集めた。

なぜピエリ守山には客が来なかったのか。繁盛するモールと、閑散とするモールの違いはどこにあるのか。

客が何度も行きたくなるモールの仕掛けや工夫を学ぶ。

商業施設の調査・分析に始まり、設計や空間デザイン、施工までの実務を手掛ける船場は、イオンレイクタウンなど国内外のショッピングモールに数多く携わり、成功させてきた。SC開発事業本部長の鈴木裕之さんと、SC綜合開発研究所所長の深井幹夫さんに伺う。

船場の鈴木裕之さん(左)と、深井幹夫さん(右)

まったく余計なお世話であるが、まずはピエリ守山がどうして失敗したのかを分析してもらった。もちろん、船場は携わっていない。設計が悪かったのか、空間デザインの問題か。

パソコンを開き、ピエリ守山のデータを調べる鈴木さん。

 

「商圏に人が少なかった。それに尽きますね」

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