「本業赤字」イオンが踏み切る大改革 消費トレンドの変化に気付いていなかった

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上期、中核のイオンリテールは75億円の営業赤字、ダイエーも102億円の営業赤字だった。もはやGMSに魅力はないのか(イオンモールナゴヤドーム前、撮影:尾形文繁)

グループの抜本的な改革――。イオンは10月3日の2014年上期(3~8月期)決算説明会の席上、今下期以降、イオングループの組織形態や店舗フォーマットについて、抜本的な改革を行っていくことを明らかにした。

上期決算の結果は厳しかった。営業利益は前年同期比41.2%減の434億円。消費増税後の反動減や夏場の天候不順を受け、イオンリテールやダイエーを中心に、主力のGMS(総合スーパー)事業は、132億円の営業赤字に転落した(前年同期は110億円の営業黒字)。総合金融事業の営業黒字210億円、ディベロッパー事業の同186億円と比べて、いかに本業で稼げていないかがわかる。中核のイオンリテールは、既存店売上高が前年同期比1.8%減。客単価は2.6%伸びたが、客数の4.3%減が響いた。

岡田元也社長は「環境や業容の変化により、(グループ経営を)さらに進化させる必要がある時期に来ていると認識している。移行後6年経た持株会社体制をいかに進化させるか。もう一度、各事業を重視し、現場主義や店に重点を置く体制に組み替えていく」と宣言した。

持株会社の要員はほぼ半減へ

まず取り組むのは、持株会社イオンの陣容の見直しと、事業会社への権限委譲だ。今後、持株会社の機能は財務、人事・人材、M&A、環境や社会貢献に集中させ、その他のマーケティング、商品政策などは、各事業会社の担当にする。その結果、現在の持株会社の440人の要員は、半分程度になる。イオンリテールの本社も人員を半減させ、営業部門に配置転換を進める。「環境変化の激しい時にこそ、分権化を進め、スピーディーに対応していく」(岡田社長)のが狙いだ。

店舗フォーマットについては、2015年1月に予定するダイエー完全子会社化の会見で発表した通り、今後はスーパーおよびスーパー周辺事業で、5業態に分類し、出店と業態転換を通じて、これに収斂させていく。まず既存のGMSは、①ファミリー向けの「イオンスタイルストア」(現20店内外)、②シニア向けの「イオングランドジェネレーションストア」(現3店)へ、ダイエーの店舗は駅前好立地の都市型GMSを中心に、③食にこだわる「イオンフードスタイルストア」(AFSS)へと、それぞれ転換する。このほか、④食品スーパーを中心にした都市型スーパー、⑤「まいばすけっと」や「ミニストップ」などの都市部小型業態、さらに「ザ・ビッグ」「ビッグ・エー」などのディスカウント業態(DS)を並列させる。

今回特徴的なのは、③と④を中心にした食品分野の強化だ。岡田社長は「業態を超えた食品分野での競争が激化し、特に規制のない1000平方メートル以下の小型フォーマットによる、スーパーの市場への浸食が激しい。イオンもこれに勝てる新しいフォーマットに変える」とする。

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