出演者全員「素人」のラジオ番組ができたワケ

本物の「失敗できる場」が若手を育てる

 

多少の失敗を恐れず、若手の成長の場を作ることが重要だ

 

「若手が出てこない」「世代交代が進まない」。そんな悩みを抱える職場は少なくないだろう。ベンチャー企業ならともかく、組織がある程度成熟してくると、若手が頭角を現す余地がなくなりがちだ。

僕が2006年に立ち上げた「文化系トークラジオLife」は、“人材輩出番組”と呼ばれることがある。荻上チキさん、津田大介さん、速水健朗さん、古市憲寿さん、國分功一郎さん、飯田泰之さん、常見陽平さん、水無田気流さん、白井聡さんなどの気鋭の言論人たちが、早い段階で「Life」に出演し、その後さらにテレビなどに活動の場を広げていったからだ。

全員“素人”のラジオ番組

「新人を起用する」という方針は、立ち上げ当初から考えていたことだった。若手の社会学者、鈴木謙介さんをいきなりメインパーソナリティに起用、ほかの出演者たちも放送メディアの経験がほとんどない、いわば全員“素人”たちばかりだった。聴取率の低迷により放送の回数が減らされ、放送時間が土曜の夜から日曜深夜、大物ゲストを招くのは難しい時間帯に移ってからは、実験の場だと開き直り、さらに挑戦的なキャスティングができるようになった。

新人起用の機会をさらに増やすため、「Life」では本放送のほかにも「予告編」「外伝」「観覧席」といった場を設定している。「予告編」と「外伝」は、ラジオの本放送の前後に作るサブ番組で、インターネットのみで提供する。また「観覧席」とは、スタジオのメインテーブルの周りに設けられた席のことで、専用のマイクはないが、話題によっては時折マイクを回すこともある。

本放送に出演するのはまだ荷が重いという人にも、よりハードルの低い場を設けることで、出演の機会を作っているのだ。このほか、リアルな場でのイベントや、よりコアな話題に絞った「番外編」ポッドキャストを制作することもある。

こうした取り組みを通して意識してきたのは、「失敗できる場」を作るということだ。「Life」は出演者の数が多いため、一人が失敗しても周りの人が補うことができる。また、一度や二度の失敗で判断することはしない。番組との相性さえ合っていれば、次の機会を考える。

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