新・お昼の顔?「徹子の部屋」成功のナゼ

視聴率2冠王、テレ朝の知られざる戦略性

 日本のテレビには「戦略」が足りない? 日本放送協会(NHK)からコロンビア大学MBA、米国の大手テレビ局と歩んできた佐藤智恵さんが、日本のテレビをもっと面白く、強くするための戦略について、経営の観点も交えてつづります。

 

♪ルールル、ルルルルールル……

黒柳徹子さんがシンデレラになるというド迫力の告知ポスター(テレビ朝日のHPより)

すっかりテレビ朝日の12時の時報となった「徹子の部屋」のテーマソング。筆者も昼に自宅にいるときは、無意識にリモコンでテレビ朝日を選択してしまうようになってしまいました。テレフォンショッキングがなくなってしまって、はや2カ月。テレビ朝日でいつも変わらぬ「徹子の部屋」を見ると妙に落ち着きます。

この「徹子の部屋」=12時という刷り込みを、テレビ朝日がずっと戦略的に行っていることをご存じでしょうか。まず、3月から4月上旬。「徹子の部屋」のスタート時間を早めるという告知に、衝撃的なビジュアルを使いました。何と、黒柳さんをシンデレラにしてしまったのです。

コンセプトは「黒柳徹子が、8頭身のシンデレラとなって、きらびやかなドレスを身にまとい、シンデレラ城ばりに豪奢な“徹子の城”に舞い降りる」。キャッチフレーズは「お昼12時に魔法がかかる」。しかも手にはしっかり、パンダが!

このインパクトのあるビジュアルをポスターや、番組宣伝などで多用し、特に、12時の時計のグラフィックを効果的に使いました。

「戦略」のにおいがする、テレビ朝日

編成の世界で、放送時間の変更というのはよくあることで、番組内で告知して、さらりと別の時間に移動というのが定石です。ところが、テレビ朝日は、大々的に徹子=12時の番組宣伝を打ちました。その結果、テレビ朝日の4月22日の社長定例会見によれば、リニューアル後の4月21日までの平均視聴率は5.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、日本テレビ系「ヒルナンデス!」(月~金曜午前11時55分)に次いで民放2位をキープしています。

そして、スタート時間を変更してからは、12時の時計のグラフィックから番組が始まり、番組内のテロップにもアイコンとして時計が使われています。さらには、前番組の「ワイド!スクランブル」では、毎日、アナウンサーが生放送で12時から開始することを告知し、5月7日(水)の「マツコ&有吉の怒り新党」では、「新・三大〇〇調査会」でとうとう「徹子の部屋」が取り上げられました(話は変わりますが、これは私が見た新・三大の中でも傑作中の傑作でした。特に大沢たかおさんがゲストの回))。

もちろん、「昼12時」から放送していることもテロップで強調されています。これでは、「徹子の部屋」=12時が刷り込まれないわけがありません!

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