個人も国も、「目標がなければ、なんも決まらん」

目先のことばかりを追っていてはいけない

昭和の大経営者である松下幸之助。彼の言葉は時代を超えた普遍性と説得力を持っている。しかし今の20~40代の新世代リーダーにとって、「経営の神様」は遠い存在になっているのではないだろうか。松下幸之助が、23年にわたって側近として仕えた江口克彦氏に口伝したリーダーシップの奥義と、そのストーリーを味わって欲しい。(編集部)

 

マラソンの現在の世界記録は、2013年9月29日、ベルリンマラソンで、ケニアのW.キプサングが出した2時間3分23秒だという。日本選手が2時間8分台というから、なんと5分前後の差がある。

昔は、日本のマラソンは、強かった。昭和28年(1953年)ボストンマラソンで山田敬藏が優勝して以来、円谷幸吉、君原健二、宗茂、猛兄弟、瀬古利彦など、世界に誇る選手がいたが、その後、ケニア、エチオピアなどのアフリカの選手が台頭して、すっかりお株をとられてしまった。

同じゴールを目指して切磋琢磨する選手たち

マラソン競技は、42.195キロメートルの距離を走る。ご承知のように、紀元前490年、ギリシャがマラトンの戦いで、ペルシャの大軍を破ったとき、その勝利を知らせるために、伝令の兵士がマラトンからアテネまでを走り、最後は力尽きて息絶えてしまったという、その伝令が走った距離が、42.195キロメートルと、私は若い頃、思っていたが、実際に走った距離は、約40キロメートル。マラソン競技の距離は、オリンピックで過去8回も変わっているという。

今の距離は、1908年、ロンドン大会で、当時のアレキサンドラ王妃が「自分はスタジアムのロイヤル・ボックスから見たい」と言い出し、スタート地点をウィンザー城の芝生の上まで延長させた。結果、352メートル長くなり、その距離を1921年、国際陸上競技連盟が正式な距離に決めた(幸運社著『意外と知らない「もののはじまり」』参照)というから、今の距離は一人の王妃のわがままの結果であるということになる。

別にマラソンの話をしようとしているのではない。マラソンも42.195キロメートルというゴールがあるから、それによって、なんのために走るのか、どのような走り方をしたらいいのか、どのような練習をしたらいいのか、が決まってくる。そして、5キロメートル、10キロメートル、15キロメートル、そしてゴールまでをどのようなラップで走るかという具体的なことも決まってくる。

要は、最初に42.195キロメートルという最終目標がなければならない。それによって、オリンピックにでるためにとか、そのためには、どのような練習をとか、そういう基本的考えが決まってくる。そうすれば、具体的に途中のペースも決められる。そのように、基本の考え方、最終目標、具体的目標がワンセットの方針となって、マラソンに命がけで取り組み、走ることが出来るというものであろう。

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