坂之上:10年前に台風の被害に遭われて、とても大変だったと伺いました。
中貝:2004年の台風23号の時ですね。市の中央部を流れる円山(まるやま)川が氾濫して、町中が水びたしになってしまいました。
坂之上:その時に工事のことで、違法なことをされたとか?
中貝:はい。復旧に向けて工事を進めたのですが、補助金ルール上の期限である年度末までに工事が終わりませんでした。……でも、工事は完成する見込みだと国に報告して、工事を続けたんです。
もう被害は出したくない、でも工事が終わらない
坂之上:それは不正受給ですよね。
中貝:はい。担当の職員はもう、悩みに悩んでいたんです。3月末までに工事を終わらせないといけないのに、それはもう膨大な工事の量で。しかもその年は大雪で、土がビシャビシャで工事ができないと。
坂之上:それを相談された時、どうされたんですか。
中貝:4月に入ってから報告を受けて、激怒しました。「工事が終わっていないなら、補助金は返せ! 工事は止めろ!」と。
坂之上:はい。
中貝:ところが職員が、「やっと雪がとけて、今残っているのは、全部、川の工事なんです。だけどこれから残りの工事の補助金を返して、あらためて予算を組み直して、工事をしてくれる業者を募っていると、すぐ6月になってしまいます。そしたらまた11月まで工事ができません。復旧工事が終わっていなくて無防備なところにもう一度台風が来て、また市民に被害がでたら、私たちはどうしたらいいんですか」って。
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