※前編はこちら:浦安市長、「政策重視」のルーツとは?
※中編はこちら:浦安市、子育て支援へアクセル踏み込む
社会と市民とのつながりが途切れないように
坂之上:先ほどお話が出ました、「日本版ネウボラ」どのようなことを計画しているのですか。
松崎:フィンランドのネウボラ(妊娠期から就学前にかけての子ども家族を対象とする支援制度)は「切れ目のない支援」と言っています。それがネウボラなんですね。ところが、今の日本の制度では切れちゃうんです。それが、特に6カ月~1歳6カ月までの健診で1年も空いてしまう。そこで、1歳もやろうじゃないかということを医師会に相談しています。そうすると半年ごとに追いかけられる。
市とつながってもらうためのキッカケにしているのが、「こんにちはあかちゃんギフト」です。
坂之上:それはなんですか?
松崎:フィンランドのネウボラがまさにやっているのですが、「妊娠しました」という妊娠3カ月の段階で子育てギフトを差しあげていて。浦安市では、まず生まれたら2万円相当の品物を贈り、お子さんが1歳になったらお誕生日ギフトも差し上げるということで、これは途切れないようにするためなんです。
手厚いサポートは夫婦ゲンカまで!?
もちろん産む前のサポートもします。「市はこのようにサポートしますよ」ということを、一人ひとりにケアプランを作って差し上げる。今までのお役所仕事は、「書いてあるんだから読め!」みたいなやり方でしょう? でも、そうではない。市の職員としてケアマネージャーが、今11人育っています。このケアマネージャーが妊娠、出産ということをサポートしていくわけです。これがネウボラなんですよ。マンパワーが必要なので、これはどこの自治体にもできることではありません。
坂之上:できないですよね。でも、お母さんにとっては精神的支えのような存在になると思います。
松崎:そうです。場合によっては夫婦げんかの仲裁までするって言うんですから。
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