男性不妊をもたらす、4つの原因

精子はこうして作られる

 世界で広がる不妊症。中でも“晩産化”が進む日本の状況は深刻だ。今や男の10人に1人が精子に問題を抱える時代。男も不妊とは無縁ではない。世界の カップルを悩ます不妊症、その最前線を追った(この連載は、週刊東洋経済2012年7月21日号「みんな不妊に悩んでる」を加筆修正したものです)。

不妊の原因の半分は男性側にあるのだが、それを知っている人は実に少ない。その病名は「乏精子症」「無精子症」……。名称自体、男性の心にぐさりと刺さるような印象である。

その症状を知る前に押さえておきたいのが、生殖器やその周辺で精子がどうやって作られていくのか、ということだ。

学生時代の保健体育の授業を思い出してもらいたい。精子は精巣という臓器の中で作られる。もっと正確に言えば、その中の精細管という部分で74日をかけて作られている。その後、精子は精巣上体、精管へと運ばれる。精管の長さは約40センチメートルあり、そこを14日もかけて通過していく。この合わせて3カ月という時間は「まさに神様が精子に与えた壮大な旅である」(医学関係者)。

精子は精管の終点で精嚢と合流し、精嚢の分泌液と混じり合う。さらにその液体は前立腺に送られ、精液が完成する。ただ、精子形成のプロセスにはまだ完全に解明されていない部分も多い。

精子の頭部には核があり、ここにDNAの半数が詰まっている。もう半数のDNAは卵子にあり、受精で掛け合わされる。精子は中間部のミトコンドリアをエンジン役に大海原を泳いでいく。

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