浦安市、子育て支援へアクセル踏み込む 婚活から子育てまで全面バックアップ

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「政治」「政策」と聞くと、「難しそう」「私には関係ない」「偉い人がなんとかしれくれる」と敬遠してしまいがち。しかし、政治と私たちの生活は密接につながっているもの。他人任せにしてもいいんだ、と思っていてはダメだ。そこで、当連載では、「地味だけど、いい政策」に焦点を当て、その政策を推進している政治家に話を聞いていく。

6人目は、千葉県浦安市の松崎秀樹市長。1998年11月に初当選。2014年10月の選挙で当選し、現在5期目だ。浦安市はディズニーリゾートが立地しており税収面で豊かなほか、若年の市民が多く、「日本一若い自治体」である。現在、力を入れている政策のひとつが子育て支援の徹底。30億円の基金をもとに、次々と新しい政策を実行している。気になるその中身について詳細を聞いた。

※前編はこちら:浦安市長、「政策重視」のルーツとは?

江戸川区に追いつき追い越せ

坂之上:浦安市では、なぜ福祉政策に力を入れているのでしょうか。

松崎:実は県議時代と浪人時代に、私が勉強をしていたのは、お隣の江戸川の福祉なんです。江戸川の福祉は日本一って呼ばれていましたので。

坂之上:江戸川区のことですか?

松崎:ご存じないかもしれませんが、江戸川区が脚光を浴びていたんです。実は、こんな経験をしたんです。県議時代に、私と同い年くらいの後援会の幹部が「松崎くん悪いけど、親父を田舎から引き取ることになったから、高齢者福祉を求めて江戸川に引っ越すことにした」と。すると今度は、婦人部の幹部の方が「松崎さん、離婚して母子家庭になったら、やっぱり浦安には住めないから江戸川に行くわ」って言いに来た。みんな江戸川に行っちゃった、ということがあった。

県議の6年半、浦安の福祉は、そこそこだと思っていたから、ショックだった。それで調べれば調べるほど、本当に江戸川区はすごい。

坂之上:どんなところが?

松崎:一例を挙げると、今でこそホームヘルパー、365日、24時間って多くの自治体がやっていますよね。江戸川区は20年も前にそれをやっていた。では浦安はどうかといえば、午前9時~午後5時まで。しかも、ウィークデーのみ。土日は派遣できない。でもいちばん欲しいのは夜、夜中でしょ。そして、早朝、未明ですよね。あとは、土日でしょ。なのに、お役所仕事でやっているというのがわかって、これは大変だと思った。ですから、選挙公約としても江戸川区に「追いつけ追い越せ」ということで、まさに福祉を前面に出した。それから少人数教育というのも出して、県議時代に研究した政策を地元で展開しようと思った。

坂之上:今日、ぜひ深く伺いたいのが、子育ての福祉なんです。市長は、こちらに今、かなりの力を入れていますね。

松崎:これはもう、半端じゃなく力を入れようと思っています。

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