デニーズ「パンケーキ」、異常人気の舞台裏 刷新した看板デザートが全社収益も押し上げ
専門店でしか味わえないような本格的なスイーツやデザートが、身近なところで楽しめる時代になってきた。コンビニでも女性客を取り込もうと、スイーツ戦略に力を入れている。外食チェーンも同じ。セブン&アイ・フードシステムズが展開するファミリーレストランチェーン、デニーズもスイーツ戦略に力を入れる1社だ。
今、デニーズで注目のメニューが、パンケーキ。日本におけるパンケーキブームは、2009年、ハワイ発のEgg’s Thingsが原宿にオープンしたことをきっかけにブレイクしたという。今もその人気は衰えていないようで、たとえば同店は今年になってからも新店舗を3カ所にオープンしている。
デニーズはパンケーキの老舗
1974年の創業当初よりパンケーキを販売してきたデニーズでは、ここ10数年、パンケーキが同店の看板デザートの座に君臨し続けてきた。
「業界では『1日に1つのメニューが10食出ればヒット商品』と言われます。当店ではまさにパンケーキがその代表的な例。普通、新メニューが出たらしばらくは注文数が伸びますが、その人気は長くて1カ月しかもたない。パンケーキは季節の影響も多少は受けつつ、1店につき、ほぼ毎日10食出続けるメニューです」(セブン&アイ・フードシステムズ広報・山瀬輝子さん)。
デニーズでは今年4月、その定番商品を大きくリニューアル。近年流行のパンケーキに共通する“ふわふわ感”を実現するべく、原材料、調理工程から見直しを行った。そのフルモデルチェンジを担ったのが、パティシエの経歴をもつ、商品開発部の木下慶一さんだ。
「人気のあるパンケーキのふわっとした食感を取り入れつつも、デニーズとして、幅広い年齢層のお客様に受けるものをということを追求した結果、“昔ながらの”“懐かしい”といったことが開発のキーワードになりました」(木下さん)。
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