50歳を過ぎてイヤイヤ禁煙する必要などない むしろ喫煙者専用クラブを作ったらどうか

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だからこそ、愛煙家は、他人から言われたからといって禁煙をしてはいけない。とことん、好きなだけ喫煙すればいいし、周りから、それこそ煙たがれても気にしなければいい。肺がんになっても、それは覚悟のこと。断固として喫煙を続け、友人から嫌われ、伴侶から離縁されてもよしとするほどの覚悟をもつべきだ。

愛煙家は「世捨て人」になることを誇りにするくらいでいい。現代の社会の風潮に不適合な人間としての自覚を持てばいい。その覚悟あらばこそ、真の「愛煙家」といえる。

そうすれば、徹底的に愛煙家同士で、はっきりした友人を選ぶことができる。お互いに世の禁煙の風潮への憤懣を語り合いながら、呵々大笑いすればいい。愛煙家だけが集まれば、喫煙を邪魔する人がいなくなるのだ。楽しいではないか。

喫煙者専用の素敵なクラブを作ればいい

いっそのこと、喫煙者同士でクラブをつくったらいい。同じ仲間同士、紫煙を燻らせていたらいい。そして煙草を一つのファッションアイテムと捉えることでもいい。

ただ、愛煙家という以上は、それだけの「誇り」を持つべきだ。たかが、ひと箱400円ちょっとのタバコを吸うのは、なんともみみっちい。実に、みじめ、憐れという以外にない。愛煙家を自負するならば、たばこ増税に反対すべきではない。むしろ、愛煙家の方から、ひと箱1000円、2000円にしてくれと訴えるべきだ。まして、値上げに反対するのは、実にみっともない。そこには愛煙家としても誇りの一欠片(ひとかけら)も感じられない。

「たばこはやめられない」「たばこは絶対にやめない」という愛煙家ならば、「ダビドフ・ミレニアムブレン」とか、「コイーバ・マデューロ5」など、1本4000円、5400円の葉巻を極めるくらいの、真の誇りある愛煙家になってはどうか。愛煙家みなが今まで以上に税金を払って、それで社会が豊かになったら、嫌煙家だって少しは見直すこともあろう。繰り返すが、タバコの税率アップに反対する喫煙者などは、愛煙家の風上にも置けない。

そうだ、いっそ「ひと箱5000円値上げ運動」を起こしてみてはどうだろうか。タバコのためには全財産を使い尽くし、孤高を恐れず、周囲から嫌われ、伴侶からも三下り半。こういうことを敢然と受け入れればもう、誰一人として文句は言えまい。あっぱれ愛煙家。真の喫煙者よ、誇り高くあれ、と言いたい。

とにかく、中途半端がいけない。まして隠れて喫煙する、ベランダで喫煙する、ビルの出入り口で喫煙する。そのような喫煙の仕方ほど、惨(みじ)めなものはない。悲しい風景はない。堂々と吸って、周囲から嫌がられる気高き人間になりたい。いかほど高価かは知らねども、葉巻タバコを咥えて、アル・カポネ風に、堂々と闊歩している政治家の麻生太郎くんを見習ってほしい。

江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問

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えぐち かつひこ / Katsuhiko Eguchi

1940年名古屋市生まれ。愛知県立瑞陵高校、慶應義塾大学法学部政治学科卒。政治学士、経済博士(中央大学)。参議院議員、PHP総合研究所社長、松下電器産業株式会社理事、内閣官房道州制ビジョン懇談会座長など歴任。著書多数。故・松下幸之助氏の直弟子とも側近とも言われている。23年間、ほとんど毎日、毎晩、松下氏と語り合い、直接、指導を受けた松下幸之助思想の伝承者であり、継承者。松下氏の言葉を伝えるだけでなく、その心を伝える講演、著作は定評がある。現在も講演に執筆に精力的に活動。

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