格安ベンチャーも出現!激変する葬儀市場 市場規模1.7兆円、2040年には死亡者167万人時代へ

拡大
縮小
ネットを活用した葬儀ベンチャー、ユニクエスト・オンラインの「小さな火葬式」なら、通夜・告別式なしの火葬のみで17万3000円。「終活市場」は、膨張の一方で、価格破壊も起きている

2012年、日本の死亡者数は126万人。一方、出生者数は104万人だった。死亡者数は2040年にピークの167万人を数え、以降、なだらかに減少する。少なくとも向こう30年近く、「死」を意識し、実際に迎える人間が増えていく。

葬儀・墓・遺言・相続・保険……。自らの死を意識し、生前から準備をする、いわゆる“終活”は、今や婚活や就活、保活、朝活などと並び、一般的なワードになった。それとともに市場を拡大しているのが、“終活ビジネス”だ。

昼間のセミナーに殺到するシニアたち

「終活」なる言葉を始めて用いたのは、09年、週刊朝日が短期連載した『現代終活事情』からとされる。それ以前からも、映画『おくりびと』(08年、松竹)など、死をタブー視せずにむしろ積極的に向き合う作品は、すでに珍しくなくなっていた。流通ジャーナリストの金子哲雄氏が12年10月に41歳で死去した際、生前から葬儀の準備をし、死去後に『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』を刊行したのは、大きな話題を呼んだものである。

そうしたメディアでの露出とともに、増殖してきたのが、全国各地での終活セミナーだ。民間企業が有料で行う場合もあるが、今や地方自治体が在住の市民向けに無料で開催するセミナーが花盛り。平日の昼間から会場が60~70代のシニアで満杯になる。

次ページ士業や金融機関も感じるビジネスのにおい
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT