半沢直樹が、島耕作に化けるための条件 「倍返し男」は出世できるのか?

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「やられたら倍返し!」が決めぜりふのTVドラマ「半沢直樹」の話題をあちこちで耳にします。

このドラマは作家の池井戸潤氏の人気小説が原作。主人公・半沢直樹が銀行の内外に現れる敵(上司や国税庁など)と格闘していく様子を描いた作品です。平均視聴率(ビデオリサーチ調べ)は関東地区で30.0%を超え、最終回に向けての展開に注目が集まっています。東洋経済オンラインに掲載された、ドラマの演出を手掛ける福澤克雄氏によると、

・登場人物に女性が少ない
 ・恋愛もない

加えて、銀行という“男”の世界が舞台。ドラマのメインターゲットと言われる女性が「見ない」前提で、ソコソコ視聴率が取れたらいい……と想定していた企画であったそうです。ところがふたを開ければ今年最大のヒット作に。

ちなみに当方も欠かさず見ては、職場で「実は及川ミッチーは半沢の敵なのでは?」などと話題にしています。オフィス街の居酒屋で見かけた若手会社員が、上司に対する不満を口にした途端、会社員仲間から

「そんなヒドイ言い方をされたのなら、倍返しどころか10倍にして返したらいい!」

と切り返され、「そうだ、そうだ」と盛り上がる光景にも出くわしました。ドラマの展開は、水戸黄門のような勧善懲悪。理不尽に思える上司=悪と想定して「やっつけてしまえ」と言いたいのでしょう。ただ、現実的に職場で上司に対して対抗するのは至難の業、ましてや「やっつける」となると、可能性自体あるのかどうか。「実際には無理だから痛快」と思いつつ、半沢直樹に願いを託している面もあるでしょう。

ちなみに半沢直樹の生き方に共感しているのは若手だけではありません。会員制転職サイト「ビズリーチ」が会員のエグゼクティブ(平均年収1110万円、平均年齢45歳)を対象に聞いたところ、実に半数以上が上司や権力者に屈しない半沢直樹の強さに共感。

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