OB・OG訪問で「好感を持たれない学生」の3特徴 「準備不足、質問責め」…あなたは大丈夫?

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他方、たとえば自分をまったく知らない人で、かつ仕事として訪問を受けてくれたOB・OGには、聞くべきことも慎重に吟味して臨むべきです。こうした人の中には、学生の評価を人事部に報告する義務を負っている方も少なくないからです。

さらに言うと、「相手の状況や気持ちに配慮する」ためには、それなりの経験が必要になります。まず、身近な先輩からアプローチして、言い方は悪いですが「練習相手」になってもらうのが効果的です。

2種類の質問とあいづちを使いこなそう

対策3:クローズ質問とオープン質問、あいづちを駆使する

OB・OG訪問では、お会いしていただいた方に、気持ちよく話をしていただくことが求められています。それは、好意で会っていただく方には当然ですが、仕事として会っていただく場合でも共通です。

そのためには、まず、「クローズ質問」「オープン質問」の2種類を使い分けることが大切です。

クローズ質問とは、「はい、いいえ」で答えられたり、誰が、いつ、どこで、何を、どのようにしているかなど、事実・現状・行動を聞く質問です。相手は、あまり考えないで答えられます。

それに対して、オープン質問は、そういった事実や現状・行動の背景にある理由や価値基準に関する質問です。相手は、考えてから質問に答えてくれることになります。

たとえば「先輩は、今どんな仕事をされているのですか」という質問は、クローズ質問です。「どうしてその仕事をされるようになったのですか」という質問はオープン質問です。両者の質問を意識して使いこなせるようになると、会話が深まるだけでなく、充実したツーウェーのコミュニケーションになります。

また、相手の話をただうなずいて聞いているだけでは、気持ちが伝わりにくいものです。

「知らなかったです」「すごいですね」「そうなんですか」「多角的に物事を考えると、そうなるのですね」「僭越ながら、私も同感です」などのあいづち(一言感想)を入れると、相手の人は格段と話しやすくなります。

ほかには、「先輩のおっしゃりたいことは、〇〇ですね」と要約して自分が理解していることを伝えたり、「それは、××の点でも同じですね」と関連していることを話して話題を展開させることができると、コミュニケーションは格段に楽しくなります。

いずれにしても、OB・OG訪問では、先輩の話を聞きながら、相手に敬意を払い、深く、楽しいツーウェーコミュニケーションをはかることが大切です。現状ではそうしたコミュニケーションが苦手な人は、練習してからOB・OG訪問を行うことをおすすめします。

廣瀬 泰幸 オールウェイズ代表取締役

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ひろせ やすゆき / Yasuyuki Hirose

岐阜県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。株式会社リクルートに入社。15年の勤務期間中に大企業からベンチャー企業まで1000社を超える企業の採用と人材育成を支援。その後、1部上場企業の人事部採用責任者として年間500人の採用と人材育成を行う。2003年、有限会社ヒロウェイ設立。2004年より、株式会社リンクアンドモチベーションの講師として、主として大企業の1万人を超える社員に教育研修を実施。2010年、株式会社オールウェイズ設立。以降、1000人を超える学生に就活コーチングを実施。twitterアカウントは@tender_coach

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